ホーム心野動記塩日記

塩日記

2022年7月24日(日)

本日をもちまして塩日記は終了します。明日から続塩日記(https://www.hirasakajuku.com/cont7/23.html)を開始します。

2022年7月23日(土)

かつては「こんな不自由で恥ずかしく申し訳ない思いをするくらいなら死んだほうがマシだ」と思っていたことが、今では日常生活の一部となり、さして葛藤することも自尊心が傷つくこともなく、すべてを受け入れている自分がいる。

2022年7月22日(金)

中国のゼロコロナ政策は各国から批判されているが、致命的な経済破綻を引き起こすことなく機能させているのは奇跡的かつ驚異的だと思う。

2022年7月21日(木)

夏休みが始まった。プール、海水浴、川遊び、冷やし素麺、スイカ、失ったものは大きいなあ。

2022年7月20日(水)

昨日のサッカー代表戦、日本対香港について。「攻めるときに決まりごとがない」と批判されている森保監督、国内組のみという縛りで選考された寄せ集めの日本代表という状況の中、「どうなることやら」と期待より不安を抱えての観戦だったが、意外にも、パス回しに澱みがなく、簡単なパスを繋ぐだけで得点機会を量産していた。香港が弱かったせいでもあるが、ストレスを感じることなく試合を鑑賞することができた。2ゴールを挙げた町野、ボランチを務めた岩田は、今回初めて耳にする選手だったし、パリ五輪の主力と目されている鈴木と藤田も期待に違わぬプレーを見せてくれた。この調子で、次の中国戦、韓国戦でも活躍して、Jリーグを盛り上げるスター選手が生まれるといいなと思う。

2022年7月19日(火)

料理のレシピで、砂糖100g、バター200gのように、キリのいい数字しか出てこないのはなぜだろうか。一流の料理人がグラム単位でレシピの異なる料理を比較して、最も美味しくなる値を選べば、427gのようなキリの良くない値が出てきても良さそうに思えるのだが。

2022年7月18日(月)

目やにが増えてきた。横向きに寝て、つば受けのタオルを枕の上に置くのだが、唾液がタオルを伝わって、目が雑菌にさらされるのが原因と思われる。

2022年7月17日(日)

藤井棋聖が永瀬王座の挑戦を退け棋聖戦三連覇を達成した。同日に棋譜をみることができるのはネットが発達した現代ならではである。

2022年7月16日(土)

妻が「コーヒーを飲んでも味がしない。臭いにも鈍感になった」と言っている。これはコロナウイルスの後遺症なのだろうか。一過性のものであってほしいと願うばかりである。

2022年7月15日(金)

BCI: Brain Computer Interfaceとは脳波を読み取り、意思表示する技術である。NHKのとある番組で、この技術は実用化されていて、商用化の準備が進められている段階だということが報道されていた。そのモニターになってくれと言われたら、喜んで引き受けるのだがなあ。

2022年7月14日(木)

友人からの質問に返信しそこねたので、この場で言及しておく。前人未到の公式戦1500勝を達成した羽生善治九段は将棋界のスーパースターであり、永世七冠を始めとする数々の記録を打ち立て、その華のある指し回しと羽生マジックと称される勝負手は人々を魅了し続けた。かく言う俺も大ファンで、若かりし頃は『羽生の頭脳』シリーズを読んで棋力向上に励んだ口である。しかし、A級陥落に象徴されるように、ここ2,3年の戦績は全盛期には程遠く、第一線を退いた過去の人になってしまった感が否めない。本人のインタビューでも、長時間正座で考え続けることの肉体的精神的疲弊の増大について語っていたし、AIによる研究手順をぶつけてくる若手棋士に対処できていないという印象だ。なんとか復活してほしいなと思うが、それが夢物語で困難だと実感する年齢になったことを噛みしめる昨今である。

2022年7月13日(水)

安倍元首相暗殺事件が報道される中、日曜日を迎えた。この日を境に妻は隔離を解いて二重マスク着用で家の内外を出歩くようになった。妻の知人の話によると、感染後一ヶ月は検査しても陽性が出るらしい。なので、体調が回復した後、適当な時期にもとの日常に戻すことになる。月曜から子供たちは全員学校に行くだろう。日曜日の晩、長男がサプライズでホールケーキを買ってきた。「この一週間、みんな苦労したから」だそうだ。

2022年7月12日(火)

妻と隔離されてから便秘がひどくなった。髭も剃っていない、髪も洗っていない。介護してくれる子供たちには感謝しかない。新たな介護を要求したくないし、またそれを頼んでも妻なしではうまくいかないだろう。木曜日、金曜日と、妻と三男の回復が待たれたが、依然として発熱等の症状は収まらない。一週間学校を休み、自宅では自習がはかどらない様子の長男と次男にはある種の厭戦ムードが漂い始めた。俺は「来週から学校に行きなさい」と一方的な決別を宣言した。

2022年7月11日(月)

次男が長男に「深夜まで勉強して帰ってくる自分が家族の中で一番きつい生活をしていると思っていたがそうじゃなかった。一番きついのはお母さんだってわかった」と言うと、長男もすかさず同意した。二人がかりで俺を介護しての感想である。妻は「体がだるく痰も収まらないし節々が痛い」だそうだ。発症から5日目、隔離生活はまだまだ続く。

2022年7月10日(日)

発症後4日が経った火曜日、どうやら三男も妻も軽症で収まる見込みだ。仮に感染が拡大しても子供たちは重症化しないだろうし、発症しても回復中の妻が看病にあたれるだろう。問題は基礎疾患がある俺だが、「重症化して生死の境をさまよったら、ALSが快方に向かったりしないだろうか」なんてことを想像して、諦めの境地に達していたので心は穏やかだった。

2022年7月9日(土)

夜も更けた頃、ベーコンを焼く臭いが寝室まで漂ってきた。台所からは長男と次男の声が聞こえる。彼らが中学生の時は「早く寝なさい」と小言を言われる側だったが、夜遅くまで有料の読書室で勉強して帰ってくるのが日常となって以来、就寝時間に干渉されなくなった。「おーい。出来たぞ。早く来い」と長男が長女を呼ぶ声が聞こえる。普段はいがみ合っている二人なのにこの日ばかりは面倒見の良い兄と素直に従う妹に変わっていた。なんか、ものすごく楽しそうだ。そういう幸せな時間に入っていけない今の状況は痛恨の極みである。

2022年7月8日(金)

三男の朗らかな嬌声が聞こえてこない。それは我が家が平和であったことの証だったと気づく。月曜の朝、子供たちが学校に電話して欠席の理由を伝えた。驚いたことに、長女は登校を勧められ、その指示に従って学校に行った。次男もその指示を受けたのかもしれない。しかし、次男は学校に行かないことを選択した。何もかも俺のせいだ。

夕方に朗報が舞い込んだ。長男の体調が回復し、保健所に赴いて検査を受けたところ、陰性であることが判明したのだ。その夜から、長男と次男が俺の介護、長女が家の掃除という分業体制が確立された。北側の個室から子供たちに携帯で指示を送るのはもちろん妻である。

2022年7月7日(木)

家族の半数がコロナウイルス感染疑惑という危機的状況でリーダーシップを発揮したのは次男だった。家事をこなそうと台所に出てくる妻を諌め、意思疎通は携帯電話で、俺との接触時にはマスクとビニール手袋を着用、換気の徹底、ということを義務付けた。そうなると、今まで妻が担っていた介護業務であった、就寝時の寝返り補助、栄養補給、気管と胃ろうの消毒、という仕事がそれまで寸暇を惜しんで勉強していた次男に降りかかることになる。俺は申し訳ない気持ちから昼間でも床に臥せるようにした。そうしたところでなんの解決にもなりはしないのだけれど。

2022年7月6日(水)

コロナウィルスに感染した三男は北側の個室に隔離されることになった。そこに出入りするのは妻のみだ。週末であったことが幸いし、次男が俺の介護を担った。一夜明けた土曜日、三男の泣き叫ぶ声が家中に響いた。このとき、我が家が危機的状況に直面していることを思い知った。小康状態だった三男の症状が悪化するのが懸念されたし、家族全員が感染するのも時間の問題に思われた。夕方になると妻と長男が体調不良を訴え、個室に隔離されることになった。俺は生贄として捧げられるのを待つ仔羊のような心境だった。

2022年7月5日(火)

先週の金曜日、三男が熱を出して学校を早退した。妻が三男を連れていき、コロナウィルスの検査をしたところ陽性だった。明日以降の塩日記でその顛末を述べる。

2022年7月4日(月)

右手の痙攣がひどかった。その頻度はかつてないほどだった。

2022年7月3日(日)

書くべきか書かざるべきか迷っていることがある。一週間後にはその答えが出るだろう。

2022年7月2日(土)

上の子三人も期末試験が終わった。そのせいか皆表情が明るい。

2022年7月1日(金)

うちの子には殺しても死なないような強くて健康な名前をつけている。

2022年6月30日(木)

食事と言うか胃ろうを介しての栄養摂取の時間を利用して聖書の通読に挑戦している。と言っても、頁をめくれないし老眼で文字が見えにくいので、iPadの音読を聴いているだけである。始めたばかりで、まだ創世記の途中だが、改めて読んで見ると、創世記には現代の常識や道徳に相容れない逸話が次々と出てくる事に気づいた。男尊女卑や一夫多妻制や奴隷制度は当たり前で、ドラゴンクエストでは勇者として祭り上げられているロトは二人の娘を妊娠させるし、アブラハムは妻を妹と偽って難を逃れようとするし、息子のイサクを生贄にしようとするし、イサクの妻は双子の兄弟の弟だけを贔屓する、といった具合に、「あれ、おかしいなあ。これが聖なる書なの?」という話がてんこ盛りなのだ。しかし、不完全で時には神にも背く人間の本質を描く凄みを感じる。このあたりのことは牧師先生やS先生にお尋ねしたいところである。

2022年6月29日(水)

カニューレ交換後、痰に血が混じり、体調も優れなかった。

2022年6月28日(火)

子供を性的に愛する人は現代においては性犯罪者予備軍に近い冷たい目で見られる。だが、未来はどうなるかわからない。最近のNHKの多様性キャンペーンを見るからにその思いが強くなる。

2022年6月27日(月)

いつの日か右手の薬指が動かなくなり左右の首振りもできなくなるときが訪れるのであろう。そのことを考えると怖くて眠れないので、なるべく考えないようにしている。

2022年6月26日(日)

立ち上がる筋肉が日に日に落ちている気がする。

2022年6月25日(土)

朝、起きるやいなや、妻が散歩に行こうと提案してきた。いつもなら何かと理由をつけて断るのが常だが、このときは「悪くない」と思った。なぜならば、食後でないので痰吸引や排便の心配がないこと、朝なので猛暑にさらされないこと、車いすに座るときに首が固定されて苦しくなることを妻に伝えていたこと、の外出するための条件が揃っていたからだ。

外に出てみると、思いの外、涼しく爽快だった。道すがら、馴染みのアパート警備の方と久しぶりに顔を合わせた。覚束ない足取りで歩行器代わりの乳母車を押す見知らぬ老婆ともすれ違った。そのたびごとに妻は気さくに話しかけ、お互いの身の上を共有していた。そういう妻の姿を見ると、「人と人の間の距離が近いなあ」と感心する。

散歩の最後にオチが待っていた。出発時は正常に動いていたエレベーターが故障していたのだ。以前にも似たような出来事に遭遇していたような気がするぞ。自宅が2階で、長男と次男が外出する前だったことが幸いした。

2022年6月24日(金)

妻に体を洗ってもらった。立ち上がりが覚束ない俺を2台の車いすを介して浴室まで運び、喉の穴に気を遣いながら、動かない手足を持ち上げながら洗い、洗い終わって寝台まで運び、服を着せるのは、かなりの重労働である。そんな素振りを全く見せず、
「夏場は汗が出るからもっと頻繁に洗わなきゃ」という妻に頭が上がらない。

2022年6月23日(木)

蒸し暑い一日だった。エアコンの有難みが身にしみる。

2022年6月22日(水)

人工知能を用いて動画を配信用に編集するソフトを開発すれば一儲けできそうだ。音声から字幕を作成、指定した時間内に収まるように重要でない部分を早送り、指定した雛形に沿ったBGMやアニメーションの挿入、肖像権に配慮したモザイク処理、等の仕事を8割位の精度でやってくれたら、数多いるユーチューバーの業務を激減させるだろうし、新規参入者も増えるだろう。

2022年6月21日(火)

ソファに座っているとき、蚊の鳴き声が聞こえた。「蚊がいる」と言うと、妻がやってきた。妻は座り込み、蚊の再来を待つが、敵もさるもの、姿をくらましたまま「本当にいたのか」という疑念を抱かせる。俺が「右腕が痒い」と言うと、妻はそこに蚊に噛まれた痕跡を発見する。妻はすっくと立ち上がり、あたりを見渡し、「いた」とつぶやいた。妻は椅子と絵本を持ってきて、白壁の上部に佇む敵を叩き潰した。俺は「さすが」と言って、妻を称えた。

2022年6月20日(月)

胃ろうを造設して一年が経つ。胃から皮膚を貫通して体の外部に伸びるビニール製のチューブを交換する日が近づいてきた。病院に行くのは嫌だな。

2022年6月19日(日)

テレサ・テンの代表曲である『時の流れに身をまかせ』がテレビから流れてきた。「もしもあなたと会えずにいたら」から始まる歌詞は、愛人を囲うのが男の甲斐性と言わんばかりの昭和のオヤジの願望が詰め込まれていて「だからお願い。そばにおいてね。今はあなたしか愛せない」と結ばれており、男の自尊心をくすぐる内容となっている。

若い頃はメロディのみが重要で歌詞はどうでもよかったが、年をとると歌詞の細かい部分に関心が向かうようになった。昭和の大ヒット曲は現代においては総スカンを喰らいかねない。しかし、それは一面的な見方にすぎない。幼い頃から天才歌手と騒がれたテレサ・テンの人生をたどれば、歌詞の中の「あなた」は歌もしくは歌謡界に置き換わり、彼女の人生を綴った名曲に変貌するからである。「一度の人生、それさえ捨てることも構わない」彼女の歌声を聴きたくなった。

2022年6月18日(土)

祭りの後の反動なのか、午後になると体調が悪くなり、ほとんどの時間を寝て過ごした。

2022年6月17日(金)

オンライン懇親会を楽しんだ。

2022年6月16日(木)

講演が終わった。大変お世話になったM先生と陰で支えてくれた妻にこの場を借りて感謝申し上げる次第です。

2022年6月15日(水)

NHKのとある番組で山形県遊佐町の少年議会のことが取り上げられていた。少年議会を構成するのは選挙で選ばれた少年議員と少年町長で年間45万円の予算の用途を決めるのが仕事だそうだ。この試みは若者の政治意識を高め、実際、この地域の国政選挙投票率は全国平均より10%以上高いそうだ。

素晴らしい取り組みだと思うが、よく考えると、疑似議会で民主主義を学ぶという取り組みは生徒会という名目で日本全国の各学校で実践されていることではないか。さすれば、若者の投票率が低いという現象は、「せっかく選んだ生徒会長と役員が結局は実権を持つ教師たちの傀儡ではないか」という諦めが一因となっているのではないかという疑念が湧いてくるのである。

2022年6月14日(火)

痰がからまり続け、2時間ほど不快な状態で過ごした。

2022年6月13日(月)

一昨日からパソコンの音声に雑音が交じるようになり、買い替えを検討していたが、今日は嘘のようにその不具合が解消されていた。

2022年6月12日(日)

気管切開手術後、半年が経ったが、痰吸引の頻度は一向に減らない。

2022年6月11日(土)

長女から数学の問題が送られてきた。答えを送り返したが「よくわからない。また考えてみる」と言われた。もどかしいなあ。

2022年6月10日(金)

食事のたびに痰がたまり続け複数回痰吸引を強いられる。酸素飽和度は下がり、呼吸困難に陥ることもある。それが食事ごとに訪れるので困っている。対処法は寝て休むのが最善のようだ。

2022年6月9日(木)

オンライン研究集会での講演が一週間後に迫っている。一ヶ月前から準備してきたが、講演スライドの見直しやそれに伴うセリフの変更など、やるべきことが山積みだ。体調が悪いと仕事が全く進まないので、健康であり続けたいものだ。

2022年6月8日(水)

体調が悪く、妻の介護負担を増やしてしまった。

2022年6月7日(火)

雨上がりの午後、アパート敷地内を車いすで散策した。

2022年6月6日(月)

ブラジル代表にかつてのような圧倒的な力量差を感じなかったのはなぜだろうか。

2022年6月5日(日)

明日のブラジル代表戦への展望を述べる。ネイマールやヴィニシウスのような世界的名選手がひしめくのはいつも通りだが、監督のチッチが非常に良い仕事をしていて、スーパースターたちの個人的技量のベクトルを揃え集団としての力を生み出しているのだ。対する日本代表は守備の練習と思って、一点差以内の拮抗した時間を長く保つことを目標に戦ってほしい。予選のときのように、中盤に遠藤、守田、田中を並べ、右サイドに冨安を配置できれば、9年前のコンフェデレーションズカップでの対戦で真っ向勝負を挑んでボコボコにされたようなことは起こらないと予想する。

2022年6月4日(土)

朝まで眠れなかったが、7時から10時まで眠ることができた。連続3時間眠ったのは本当に久しぶりである。

2022年6月3日(金)

将棋の叡王戦第3局に関しての感想を見事に代弁する記事が出た。敗れた出口六段に注目してほしいので、リンクを貼っておく。
https://news.yahoo.co.jp/articles/20a202fe29c8dfa2cb113d1a209f343864aeda73

2022年6月2日(木)

パラグアイは守備がスカスカだった。それでも4点取るのは大したもんだ。少なくとも退屈な試合ではなかった。

2022年6月1日(水)

2週間ぶりに家の外に出た。

2022年5月31日(火)

昨日の物言いに妻が反駁。

「しってるわよ。そうやってたら故障につながるから丁寧にやってるの」とのことだ。

2022年5月30日(月)

妻へ一言物申す。就寝時にノートパソコンを消灯するときはノートパソコンの液晶画面を閉じればよいのだ。

2022年5月29日(日)

サッカーのCL決勝を次男と一緒にテレビ観戦した。ハーフタイムに次男がスナック菓子をボリボリと音を立てて頬張っていたのがうらやましくてしょうがなかった。

2022年5月28日(土)

韓国では(こう書くと一般化し過ぎのような気がするが)女子中学生が化粧をするのは特別なことではないらしい。特に、最近ではマスク着用が義務付けられているので、マスクの下は化粧し放題で注意もされないとのことだ。ちなみにウチの長女は化粧とは無縁である(知らぬは親ばかりなりと言う可能性も無きにしもあらずだが)。

2022年5月27日(金)

長女が痰吸引をしてくれた。

2022年5月26日(木)

将棋の叡王戦は藤井五冠の三連勝で初防衛に成功した。第三局は終盤まで接戦で、挑戦者の出口六段が一分将棋で秒読みに追われて勝ちを決定づける最善手を逃したことが致命傷となった。出口六段は局後に大盤解説会に集った観衆を前にした挨拶のとき、言葉に詰まり30秒ほど顔を上げられず顔をくしゃくしゃにして泣いた。普段は表に出ることはないが、棋士たちは全身全霊で戦っていることを感じさせる光景だった。

2022年5月25日(水)

心臓に持病を抱える義父は妻の実家がある浦項から釜山市郊外に位置する大学病院まで通院している。今日はその定期検診の日で、その帰りに義父母がウチを訪問してくれた。本来であればいたわる立場の俺だが、今回も手を握られいたわられた。初めて妻の実家に「お嬢さんを幸せにするので結婚を認めてください」と挨拶に赴いたのが21年前、「果たしてその約束は守れたのか」と自問自答して、答えに詰まる俺がいた。

2022年5月24日(火)

通っている教会の牧師先生ご夫妻と牧会者の方々がウチにいらっしゃり、家庭礼拝を開いてもらった。俺のわがままで寝室から出ないことを主張したために、寝室が礼拝の場となり、お客を床に座らせる事となり、申し訳なかった。お越しいただいた皆様にこの場を借りてお詫びと感謝申し上げたい。

2022年5月23日(月)

体調が悪く、冴えない一日だった。

2022年5月22日(日)

三男がまたスマホで遊んでいる、と思っていたら、そうではなかった。なんと、学校で出された英語の宿題で、スマホのアプリを通して英単語を正しい発音でつぶやくと点数化される仕組みになっていて、達成度に関する校内順位も表示されるらしい。勉強嫌いの三男をゲーム感覚で学習させるアプリの力は凄いと思った。日本だと、

「インターネット環境がない家庭はどうするのか?」

「スマホを持ってない子は不利になる」

「電子機器に接する時間が長くなり、視力に悪影響がある」

「競争させることは本来の教育を歪める側面がある」

等の批判が続出して、公教育で導入されることは困難であろう。賛否両論があれど、実行する思い切りの良さがこの地域には存在するようだ。

2022年5月21日(土)

妻に髪を切ってもらった。出来上がりには満足しているが、切った後の髪の毛の掃除が大変そうなので、次回は専門家に任せたほうが良いのではなかろうか。

2022年5月20日(金)

規模が小さく物理や微積分を教える教員が不足する高校に対する支援策として、他校の教員がオンライン授業を行っているというニュースを見た。いっそのこと、日本全国の教育機関で科目ごとの授業動画を作成する取り組みを推進してはどうだろうか。このような教育コンテンツが蓄積し、編集されれば、利用者の水準や目標に応じた授業を選択できるようになり、知的財産として堆積していくのではなかろうか。

2022年5月19日(木)

今日は稀に見る通じの良い日だった。妻曰く、
「昨日からキムチを刻んでおかゆに入れてるのよ」
ああ、義母の自家製キムチの味が懐かしいなあ。

2022年5月18日(水)

体調が良くなかった。

2022年5月17日(火)

「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の発音は本当に同じなのだろうか?

2022年5月16日(月)

外出して近所のスーパーマーケットに行ってきた。車いすでの走行中はSOSを発する手段がないのが外出に消極的な理由の一つだったが、今回は意思疎通がうまくいった。

2022年5月15日(日)

PJR、OSM、 CEK、ESJ、KYJ(敬称略)が見舞いに来てくれた。各々に対して、聞きたいこと伝えたい事があるのだが、今回は成人病予備軍の疑いがあるESJへ一言いいたい。

「食生活と毎日の運動に対する意識を改革して実践しよう。高価な服を着る、高価な車に乗ることより、はるかに贅沢なのが、健康な体を動かすことなのだ」

2022年5月14日(土)

明日は沖縄返還50周年記念日だ。一連の報道を見る限り、戦前からの歴史や米軍基地問題から沖縄の人々は本土に対して不公平感を伴った複雑な感情を抱いていることが強調されている印象を受けた。

俺にとっては沖縄は数ある都道府県のひとつで、過疎に喘ぎ活力を失っている地域と比べると十分に恵まれていると思う。こう書くと、

「やはり、本土のやつは何もわかってない」

「本土との所得格差を無視するのか」

「米軍基地の7割が沖縄に集中しているんだぞ」

「基地の騒音と墜落事故の恐怖を味わってみろ」

等の反駁で炎上しそうであるが、主張したいのは沖縄の潜在力である。


沖縄科学技術大学院大学(OIST)をご存知だろうか?

詳細は https://www.oist.jp/ja/facts-figures

ここは知る人ぞ知る研究機関で、優秀な研究者を集め、驚嘆すべき研究実績を叩き出しているのだ。この成功例に倣って以下の提案をする。

1.全寮制の中高一貫校を創設。

2.海外の大学への進学に特化する。

3.そのための英語教育を充実させる。

4.各界の著名人を週ごとに招聘し、「白熱教室」のような双方向型の授業を実施する。

5.その様子を撮影、動画を編集、英語の字幕、吹き替えを制作。

6.その作業は部活動の一環として生徒たちが行う。

このような教育機関の充実は沖縄の地力を高めるに違いないと思うが、いかがなものだろうか?

2022年5月13日(金)

就寝時、目を閉じると、「ブーン」という蚊の鳴き声が聞こえた。再来の恐怖に怯えながら蚊にまつわる受難の歴史に思いを馳せた。蚊に刺されると痒い。幼少時の俺は爪を立て血が出るまで掻き続けていた。傷口が膿んでかさぶたとなる。すると、その周辺が痒くなり、かさぶたはぎの誘惑も作用し、再び血が出るまで掻きむしる。半ズボンと外遊びが基本だったあの時代に、蚊が寄って来やすい体質の俺は格好の標的となり、7,8月の俺の両足にはおびただしい数のぶつぶつが常駐していた。今は血が出るほど掻けることを懐かしく思う。今年も夏がやってきたなあ。

2022年5月12日(木)

頻尿で悩んでいる。

2022年5月11日(水)

今日は病院に行く日だったが、諸般の事情で延期してもらうことにした。

2022年5月10日(火)

「いつでも好きなときに出ておいで」と呼びかけて眠りについた。目覚めたのは深夜、妻と義母が起きているのに気づき飛び起きた。脂汗をかいて苦悶の表情を浮かべる妻に寄り添うのは義母、俺は着替えを済ませ、タクシーをどこで捕まえてどのように自宅の前に誘導するか思案した。妻は朝がくるのを待って病院に行くことを主張した。幸いに朝まで小康状態が保たれ病院にも移動できた。そこからが長かった。陣痛に苦しむ妻を見守るのは希望と不安が入り混じった、どちらかといえば、辛い作業だった。妻が分娩室に呼ばれたのは午後3時過ぎ、何故か俺も入室を促され、マスクとビニール手袋をはめて待機する。

とうとう「そのとき」が来た。俺はへその緒を切る大役を担わされ、出てきた赤ん坊の鳴き声を聞いて、号泣した。20年前の話である。

2022年5月9日(月)

ALS患者の介護者繋がりで妻と親しいYさんによると、
「夜、寝ているときに十数回起こされる」そうだ。数回起こす俺への風当たりが弱くなっているのは気のせいだろうか。

2022年5月8日(日)

昨日のヤフーニュースでALSに罹患した声優さんの手記が掲載されていた。発病して2年半が経過しており、気管切開の一歩手前の段階の葛藤が綴ってあった。症状の個人差が大きい病気だといえ、その方がいずれ気管切開を決断し、声を失った悲しみに暮れ、克服する未来が鮮明に見えるんだなあ。このことは、つまり、俺の一喜一憂の闘病も経験者から既視感を持って見られていたということだ。しかし、今の俺が昔の俺に忠告しても耳を貸すことないのだろうなあ。

2022年5月7日(土)

ツイッターに来たメールに気づかず長らく放置してしまっていた。

2022年5月6日(金)

久しぶりに車に乗って外出した。妻が「今日は用事があるから一緒に行動しないと」というので、言われるがままついていったが、それは妻の作戦だったようだ。日光が眩しすぎて目が開かない、遠くの景色に焦点が合わない、首が不安定、痰が気になる、眩しい新緑を妬ましく感じる、呆れるほど後ろ向きな自分への嘲り、等の不安や負の感情が渦巻いていたが、妻があまりにも上機嫌で笑顔だったため、それにつられたのか、後半はドライブを楽しむ気持ちが生じていた。心を動かしてくれた妻の作戦を讃えたい。

2022年5月5日(木)

韓国では今週中5月5日のみが子供の日の祝日で、残りは平日である。今日の我が家では特別な行事があるわけでなく、長男と次男は読書室で勉学に勤しみ、長女は自宅でくつろぎ、三男は近所の遊具場で遊び、妻は俺の介護に追われるいつもの日常を過ごした。俺は妻からの「外出しよう」という誘いをやんわりと断り、寝たり起きたりを繰り返していた。幼い頃に食べたちまきの味を懐かしむ今日このごろである。

2022年5月4日(水)

今日はカニューレの交換日で採血検査も受けた。

2022年5月3日(火)

近未来に、日本に反米政権が誕生して、日米同盟を破棄して、ロシアや中国に歩み寄ったと仮定する。覇権国だった米国の威信を守るため、特別軍事作戦と称して、日本列島への侵攻を開始する。ミサイルや砲弾が飛び交い、多数の民間人に犠牲が出て、1千万もの人々が難民として国外に逃れるも、米国内では「日本は大量破壊兵器を保有し、広島と長崎の復讐を画策している」「親米勢力は差別され人権が侵害されている」等の報道が幅を利かせ、反戦論は少数意見にとどまる。

そんなことを想像すると、ウクライナが直面している絶望的な現実に深く同情し、ウクライナが奇跡的な勇気を持って強大な敵に挑んでいるという事実に感嘆するのである。

2022年5月2日(月)

長女に物申したい。
「顔の横と頭の右側を掻くときは10ストローク以上連続して掻いてほしい」

2022年5月1日(日)

上の子3人の中間考査期間が終わった。長男はマイペース、次男は「今回は成績が悪すぎた」と次回への奮発を公言し、長女は「勉強したのに数学が駄目だった」という。俺が中高生だったときと比べて、成績に対して敏感だなという印象だ。日韓の違いというより、大村と釜山という、田舎と都会の違いなんだろうなあ。

2022年4月30日(土)

昨晩から頭痛を訴えていた妻が回復した。

2022年4月29日(金)

JHR博士が夫人を伴って見舞いに来てくれた。二人共、釜山出身だが現在は東京に住んでいる。今回、来韓したのは明日結婚式を挙げるためだ。前日で目が回るほど忙しいだろうに時間を作って来てくれて有難いことである。明日の結婚式に出席できなくてすまなく思う。

初めて会うJHR夫人は明るく聡明で素敵な方だった。異国の地で職を得て活躍中の二人に最大限のエールを送りたい。幸せいっぱいのJHR博士には「その幸せも子供が生まれる前までだぞ」と忠告しておく。

2022年4月28日(木)

右手の痙攣が頻繁に起こり、作業ができなかった。

2022年4月27日(水)

ここ最近、柔道の全日本体重別選手権の試合の動画を視聴している。気になったのは、投げた後に押さえ込みや関節技にいかずに審判の旗を見ている選手が大半だということだ。投げ技が「技あり」と判定されれば試合は続行されるわけだから有利な態勢でいるうちに合せ技一本を狙いに行くのが範となるべき姿と思うのだが、国内トップ選手が率先して武道精神を欠いた振る舞いをしているのは残念な限りである。

2022年4月26日(火)

座っているとつばが口の中に溜まって非常に不快である。一方で寝て横になるとある程度つばを飲み込むことができる。そのせいか、「寝て休みたい」と頼む回数が急増している。

2022年4月25日(月)

気管切開手術から5ヶ月が過ぎた。俺の体調や身体能力はあまり変化はない。相変わらず、眠れないし、便秘気味だし、声は出せないし、立ち上がる力が低下しているし、首を支えられないし、つばがとめどなく出るし、たん吸引の負担もそのままだし、人工呼吸器のお世話になっているし、胃ろうを用いて栄養を摂取している。しかし、心理面では大きく異る。5ヶ月前は一人でいることが不安でパニック状態に陥ることもあったが、慣れとは恐ろしいもので、今は浮き沈みのない安定した精神状態で生活している。それもこれも介護してくれる家族とのすり合わせがうまくいったことにほかならない。最初は文字盤で意思疎通するのに時間がかかったが、今は察してくれるようになり、就寝時の体の傾きの角度やお腹が冷えないように服をズボンに入れるような細かい事まで伝わるようになった。いつの日か、この恩を返せる日が来るといいなあ。

2022年4月24日(日)

今日放送されたNHKスペシャルは見ごたえがあった。特に、ロケットが地上に軟着陸する映像には驚かされた。

2022年4月23日(土)

足の力が衰えている。妻は「あなたの筋肉が私に移って強くなった」というが、今後が心配である。

2022年4月22日(金)

呼び出し用のアヒルのおもちゃが寝台やパソコン机に紐で固定される様になり、安心感が増した。

2022年4月21日(木)

昼寝の時間が長かった。夜、眠れなくなりそうで心配だ。

2022年4月20日(水)

三男がイチゴが乗ったホットケーキを見せにやってきた。自分で焼いたそうで、そのことを誇示し、美味しいものが目の前にある喜びを表現する踊りを披露した後、一口大に切り分けたホットケーキをフォークに刺し、俺の口の前に差し出した。メイプルシロップが滴るいかにも美味しそうなホットケーキだが、あいにく俺は口に食べ物を入れることがままならない。ここは三男の優しい気持ちだけ受け取ることにしようと思っていると、俺の目の前でフォークが急旋回して三男の口元で舌舐めずりされて、ホットケーキは三男の口内に消えていった。それから、いたずらが奏功した勝利の舞が始まったのは言うまでもない。

三男が幼かった頃、俺がお菓子を手に取って「あげようか?」と聞いて「うん」と目を輝かせる三男の目の前で「あーげた」と言って、三男の手が届かない位置までお菓子を上げるという冗談を頻繁にやっていたが、その仕返しを今されているのかもしれない。

2022年4月19日(火)

マリウポリの製鉄所でウクライナ軍が民間人と共に籠城しているというニュースを見た。降伏か徹底抗戦、生命と国家の意志のどちらが優先されるのか、当事者の苦悩を想像するといたたまれない気持ちになる。

2022年4月18日(月)

痰吸引を繰り返して疲れて寝込むを繰り返した一日だった。

2022年4月17日(日)

オンライン礼拝中、痰が気になり始めた。妻を呼んで吸引をしてもらうが、カニューレの奥のネバネバ成分は除去されず残ったままだ。「そのうち出てくるだろう」と我慢していたが、突然、息苦しくなり、慌ててアヒルのおもちゃを鳴らして妻を呼んだ。「衣服がカニューレにかぶさっている」と思っていたが、そうではないらしい。妻曰く「顔と胸が赤くなっていて、緊急事態だと思った」そうだ。長男と次男が呼ばれ、吸引を繰り返すが、事態は改善しなかった。焦った妻は救急車を呼んだ。すると不思議なもので、吸引で血糊が出てきて、快方に向かった。防疫服を着た救急隊員4名が寝室に入ってきたときはなんの異常も見られず、気恥ずかしさでいっぱいだった。「大事に至らず何よりでしたね」と言って去っていった救急隊員の皆様へ、この場を借りてお礼申し上げます。

2022年4月16日(土)

解けそうと思っていた数学の課題が溶けそうになっている。

2022年4月15日(金)

三男が野外実習のいちご狩りで取ってきたいちごをジュースにして摂取した。

2022年4月14日(木)

同一選手が9人いる野球チームを想像してみる。松井が9人、ダルビッシュが9人、イチローが9人、どのチームが強いだろうか?そう考えると、大谷の昨年度のMVP受賞も納得である。ちなみにサッカーだとメッシ11人が最強だと思う。

2022年4月13日(水)

学位を取ったばかりのKJH博士が見舞いに来てくれたのだが、5分ほどで「電車の時間に間に合わない」と言い出して帰ってしまった。「長居したら迷惑」と思って気を使ってくれたのかもしれんが、妻は掃除して来客の準備をして待っていたのだ。せめてお茶を飲んで俺と話してから帰るのが礼儀ではないだろうか。今度来るときは要らぬ気を使わぬように。

2022年4月12日(火)

先週の土曜日に放送されたNHKスペシャルについて物申す。テーマは数学の難問であるABC予想を解いた望月新一で、一般の視聴者にも伝わるようなグラフィックと説明で素晴らしい内容と構成だった。しかし、c/rad(c)

2022年4月11日(月)

俺が高校に入学したばかりの頃の話である。英語の授業の初回で、教師がある女子生徒に平手打ちを食らわせた。教室内に響き渡った「パーン」という音と「ひいっ」という悲鳴が聞こえた。その女子生徒は中2、中3、高1の同級生でよく知っている子だったが、会話を交わすような仲ではなかった。天然パーマの巻き毛と色白の肌が彼女の特徴で校内でも目立つ存在だった。体罰の理由は不明のままだが、その当時は「見せしめ」という単語が頭を駆け巡っていた。いかなる理由があろうと、男が女に暴力を振るうのは言語道断で非難すべき行為である。だが、平手打ちの後、抗議の声を上げるものはいなかった。体罰といじめが蔓延していた1980年代には沈黙を保ち目立つ行動はしないというのが最善の自衛手段と考えられていたのだ。

授業後、彼女に話しかけに行く勇気はなく、座ったままもじもじするだけだった。その年の夏、彼女は長崎市内の高校に転校していった。体罰や校内暴力や受験の記憶を共有してきた盟友とも言える彼女を見殺しにしたことは心の澱となり、今もなお、ウクライナ情勢、入学式のニュース、ウィル・スミス事件が重なると、若かりし頃の情けない自分の姿を思い出してしまうのだ。

2022年4月10日(日)

プロ野球選手の佐々木朗希が凄すぎる。13連続奪三振でも異次元で漫画的なのに完全試合まで達成するとは。しかも時速160km台連発で、実力がそのまま結果に現れたような印象だ。この試合だけでも年間MVPに値すると言ったら言いすぎだろうか。高校生の頃、あれだけ騒がれて期待されていたのに、ストレートが上ずるという欠点が矯正されるまで一軍での登板回数を抑えた千葉ロッテマリーンズの育成陣は優秀だと思う。

2022年4月9日(土)

夜、痰がとまらなくなり、痰吸引を繰り返して、そのままパソコン打ち止めとなった。

2022年4月8日(金)

かつての指導学生達とのオンライン親睦会が催された。出産や結婚の慶事を報告する者、疾病に苦しむ者、現状と闘う者、多種多様な近況報告がなされた後、過去の行事を記録する写真の閲覧が始まった。懐かしさや学生達の成長に目を奪われたせいか、背中の疲れを感じることなく1時間が過ぎた。企画してくれた皆、集まってくれた皆に感謝したい。

2022年4月7日(木)

HC教授とCJS博士が見舞いに来てくれた。タイピングが遅すぎて会話の流れについていけないのは相変わらずだったが、妻が上手に話をつなぎ、俺の時間差で場違いなリプライが炸裂する展開となった。HC教授と会うのは3年ぶりで、懐かしさが募った。この日の体調は悪くなく。疲れで途中退場することもなく、笑顔を見せる事ができたのは幸いだった。HC教授から「また智異山に登ろう」という封筒書きのメッセージをいただいた。時間差であってもなんとか返信したいものである。

2022年4月6日(水)

訪問看護かつカニューレ交換の日だった。交換後、たん吸引日に血が混じるようになり、体調も悪かった。

2022年4月5日(火)

「太陽光発電で電気分解して水素ガスで生成する機器の費用が700万円で、採算性が課題」というニュースが流れてきた。その原理は中学の理科に出て来る簡単なものだがエネルギー変換効率が悪すぎて、収益化は程遠いと思っていた。しかし、そのニュースでは得られた水素ガスを持ち運び可能な電池という役割を課して発電に利用するといっていた。なんと、採算性の問題はあるにせよ、実用化は既になされていたのだ。これは太陽エネルギーの貯蓄にほかならない。灼熱の太陽光が降り注ぐ広大な砂漠に太陽光パネルを敷き詰めれば莫大な水素ガスが得られるのではなかろうか。誰か詳しい方が射たら、教えを乞いたいところだ。

2022年4月4日(月)

体調が悪いときは如実に座っている時間が短くなる。

2022年4月3日(日)

PJR博士とOSM博士を招待しての昼食会がウチで開かれた。

2022年4月2日(土)

江戸前寿司を名店のカウンターに座って味わいたかった。

2022年4月1日(金)

PJR博士が見舞いに来てくれた。正午になって、入れ替わるように妻の友人がやってきて昼食会が始まった。午後3時にCEK博士が推薦状の件でやって来た。この日の俺は体調が悪く、座っているのが辛く、寝台と椅子の往復を繰り返した。

2022年3月31日(木)

「愛する君の声がどんな歌より聞きたくなった」と、寝台に横たわる俺の耳元で高らかに歌い上げるのは長女だ。頭が痒いときにアヒルのおもちゃを蹴って音を鳴らせば、
「呼んだ?私じゃないよね?」と、とぼけながらもそばに座ってくしで頭を掻いてくれるのが長女のいい所だ。頭の次は指で顔とうなじを描いてくれる。全工程で5分ほど、この間、長女はヒゲダンの楽曲を歌ったり、学校での出来事を日本語で話してくれる。普通、中3の娘が父親に話しかけたりするだろうか?現在の奇跡的な親子関係は、俺がALSに罹患したからこそ成立しているのかもしれない。

2022年3月30日(水)

昨日、CJS博士が見舞いに来てくれた。CJS博士の指導教授であるHC教授は大の登山愛好家で、毎週の山登りは基本でキリマンジャロにも挑戦したことがあるほどだ。俺が健康だった頃は、年に3,4回、HC教授に誘われて近隣の山々をトレッキングするのに同行していたし、CJS博士も同行メンバーの一人だった。

せっかくのCJS博士の訪問だったが、寝起きということもあり、CJS博士が別室で妻と話し込んでいたということもあり、俺から機械音声で言葉を発することはなかった。しかし、山登りで苦楽を共にすると、言葉じゃない通じ合う何かが生じるものなのだ。俺は瞬きを繰り返してCJS博士を見送った。

2022年3月29日(火)

予選を突破して、本大会ではどんな選手が台頭してくるかという期待を持って消化試合である日本とベトナムの試合を観戦している人は多いと思う。にもかかわらず、前半のあのしょっぱい内容はいかがなものか。ロシア大会であれだけ輝いていた柴崎はどこへいってしまったの?久保は東京五輪で燃え尽きたの?

2022年3月28日(月)

「健康に過ごせるだけでも幸せなことなんだ」
桜散り悩める若者たちに伝えたい言葉である。

2022年3月27日(日)

6月に開催される研究集会で講演することになった。体調と右手の薬指の状態がいじできるとよいのだが。

2022年3月26日(土)

プロパガンダを見破る方法はあるのだろうか。俺がロシア国民だったと仮定しよう。耳慣れた母国語であるロシア語のニュースしか視聴しないだろうし、戦場に赴いている自国軍兵士を後方から撃つようなことはしたくないので戦争反対を表明することはないだろう。

「自らをとことん疑ってみる」
これは数学の証明をする際の戒めであるが、メディアのニュースを鵜呑みにせず、事実を見極めようという姿勢で臨んでいる。
「何が言いたいのかわからない」と批判されることもしばしばであるが。

2022年3月25日(金)

某国の総理大臣は毎日のようにテレビに出て記者会見に応じ実務に関する説明をしている。妻にはその姿が新鮮に映るようで、「いい人を選んだね」と言っている。

2022年3月24日(木)

守田、田中、山根、三苫、板倉、フロンターレ川崎勢が大活躍だった。

2022年3月23日(水)

「明日、サッカーの代表戦がテレビ中継されるか調べて」と次男に頼んだ。
「午後6時からだよ」と次男は答える。W杯カタール大会への出場権がかかった天王山とも言える日豪戦、当事国である日本では地上波中継されないのに、ここ韓国では普及しているケーブルテレビで視聴できるのだ。NHKのニュースを見てもサッカーの話題は出てこない。過去大会の予選と比べて代表への熱量が落ちていると感じるのは俺だけであろうか。

2022年3月22日(火)

過去の塩日記を見返した。誤変換が非常に多く、自分でも呆れるほどだった。

2022年3月21日(月)

子供Aと子供Bが喧嘩してAが泣いたとき、Bの親が
「Aの方にも非はある。親に責任を押し付けられても困る」と言ったら、Aの親はカンカンに怒って絶交を決意した。その話をBの親から聞いた子供Cの親は
「Bの親と距離をおくべきか」と思い悩んでいる。

これはたとえ話で事実と異なるが、似たような軋轢が釜山大学で特任教授として勤務するウクライナ人、ロシア人、退職したばかりの日本人教授の妻との間に起こっている。

2022年3月20日(日)

韓国でもコロナウイルス感染者が急増している。同じアパートに住む知り合いや親戚が感染しており、このニュースをより身近に感じるようになった。

2022年3月19日(土)

寝台で横になるときには姿勢が重要になる。右を向いて寝るときは直角に傾けて頭と肩の間の空間に枕を挿し込んだ状態を作り、右足を軸として左右に45度ずつ回転できるように腰の位置を調整しなければならない。

昨晩は、腰を引きすぎてしまい、右に傾いたまま身動きが取れなかった。そのことが妻に伝わらず、不毛な時間を過ごすことになった。俺の取り扱いは妻でも苦労するほど難しいのだ。

2022年3月18日(金)

朝、起きてテレビをつけてもらうと、「大宮北高校がユニクロの既製品を制服として導入」というニュースが耳に入ってきた。既存の制服を一式揃えようとすると6万円かかるのに対してユニクロの場合1万5千円しかかからず、保護者の金銭的負担の軽減に繋がるということが導入の理由だそうだ。

日本の地方都市で幼小中高生の入学時の状況を体験した身としてこのニュースには大いに考えさせられた。制服、体操服、革靴、運動靴、室内シューズ、鞄、絵の具セット、縦笛、ピアニカ、等々の全てに指定の業者があり、指定の小売店でのみで販売される。それらは毎年固定され、既得権が更新され続け、価格競争は起こらない。ネットで注文して商品を自宅で受け取れる時代に、市場原理とは程遠い価格とサービスを受けざるを得ないのが地方に住む保護者の現状なのだ。

上記の大宮北高校の試みが全国に波及し合理化が進んでほしいと願う一方で、駆逐されるであろう地元の零細企業や学校だけが頼りの小売店を心配する俺がいる。

2022年3月17日(木)

元塾生の受験の合否が気になる今日このごろである。

2022年3月16日(水)

便秘4日目、食事の後でも信号が来ない。

2022年3月15日(火)

ロシア国営放送の生放送中にアナウンサーがニュースを読み上げる背後で「戦争反対、プロパガンダにだまされないで」とロシア語で書かれたプラカードを掲げた女性職員がNHKのニュースで紹介されていた。その映像を見た瞬間、強い感動に襲われた。この頬を伝わる液体は一体何なのだ?

2022年3月14日(月)

毎食、栄養満点のお粥を作ってくれる妻の献身に感謝したい。

2022年3月13日(日)

右手の中指がほぼ動かなくなった。残っているのは右手の薬指だけである。

2022年3月12日(土)

自然科学系の学問において地学は地味かつ日陰の存在である。これはノーベル賞の受賞分野の内訳を調べれば浮かび上がってくる客観的な事実と言っていいだろう。ある地質学者が「うちの学科はサバの腹みたいなもんだ。サバの頭に位置するような成績上位者はいないが、栄養が詰まった学生が集ってくる」と言っていたが、これも花形分野ではないことを前提とする主張であろう。

NHKの看板番組の一つと言われる「ブラタモリ」を視聴した。その内容は既知であるものとして割愛するが、ともすれば退屈になりがちな学問的内容をわかりやすく娯楽性を保ちながら紹介していて、「ブラタモリを見て地学を専攻する学生も少なくないだろう」という感想を抱いた。奇しくも厨房からは脂の乗ったサバが焼ける音が聞こえてきた。

2022年3月11日(金)

この日付を記すと緊張が走る。

2022年3月10日(木)

パソコンの画面上で矢印を動かすのが困難と感じるようになった。右上には何度もスイッチバックが必要になるし、下側のツールバーに到達させるために顔をよじったりと、涙ぐましい努力をしている。

2022年3月9日(水)

韓国では国政選挙の投票日は平日に設定され、その日は休みになる。妻は投票に行き、国民の義務と権利を果たした後、外出を提案してきた。断る理由が見当たらず、言われるがまま服を着せ替えられ、車椅子に乗せられ、車の助手席に座らされた。天気が良く、後部座席に座る長女と三男の微笑ましいけなしあいを聞いていると心が和み、充電式の吸引器も準備されている安心感から、たまの外出も悪くないなあと思うようになった。しかし、時間が経つにつれ、尻や足が悲鳴を上げ始め、目的地に着く頃には、家に帰って休みたいと思うようになった。そのせいで、公園の遊具で遊んでいる三男をなだめて家に帰る運びとなった。「どっちが子供何だか」というつぶやきがどこからか聞こえてきそうな夕暮れ時だった。

2022年3月8日(火)

明日は韓国大統領選挙投票日である。韓国の若者は政治に関心が高いと言われるが、それは我が家の長男と次男にも当てはまる。彼らが妻と大統領選挙やウクライナ情勢について議論し合うのはありふれた日常の風景である。そういう家庭の雰囲気が国全体の傾向を形作るのだろう。ちなみに俺は未成年時に親と政治の話をした記憶がない。

2022年3月7日(月)

OSM博士の案内で数学科の(かつての)同僚であるJIH教授とKSI教授が見舞いに来てくれた。JIH教授は同期採用で、現在は自然科学大学の学長という要職に就いている。KSI教授は数学科の学科長である。今回の訪問の目的は退職の記念品を渡すことだそうで、妻にお茶菓子を準備する時間も与えず早々と帰宅してしまった。淋しいが仕方ない。俺と彼らでは流れている時間の速さが異なるのだ。顔を見られてよかった、心からそう思う。

2022年3月6日(日)

思い通りにクリックできない。これが終わりの始まりというやつなのか。

2022年3月5日(土)

昨日の塩日記のおまじないがきいたのか昨晩は午前4時から6時まで丸々2時間眠ることができた。

2022年3月4日(金)

夜眠れない日々が続いている。

2022年3月3日(木)

一昨日、SKH教授から電話があった。ありがたいことである。SKH教授は釜山大数学科の先輩教授で4年前に定年を迎え退職された。九州大学の梶原譲二教授の指導を受け学位を取得したという経歴から大学院の先輩でもある。20年前に俺が釜山大に赴任して初日の昼食に誘ってくれたのもSKH教授だった。二人でふぐ鍋を食べた後、車でキャンパス内を案内してくれた。食事代はSKH教授が払い、会話は日本語だった。

一昨日、SKH教授と電話で話したのは妻で、スピーカーホン越しに響くSKH教授の声を懐かしみ、相槌の代わりにまばたきをしていた。20年前は聞き取りが怪しかった韓国語が今では完璧に聞こえるのに話せなくなったのは皮肉というほかない。

2022年3月2日(水)

今日は学期の始まりで、子供たちは全員登校して午前中は家の中が静かだった。

2022年3月1日(火)

座り方がやや左に傾いた。頭の重さを支えきれず、ソファの左側に上体が投げ出された。本能的に身体が一文字に硬直し、落下することは避けられたが、滑り落ち、肘掛けを枕にする態勢で固定された。幸いだったのは呼吸が確保されていたことだ。しかし、首がねじれて非常に苦しい。寝室のドアは開いてるし、家族全員が家にいる。そのうち誰かが発見するだろうと思っていたが、「そのうち」が当事者の俺にとっては長かった。こんなふうに雪山遭難後救出されたときのような感動を頻繁に味わっているのである。

2022年2月28日(月)

今年は閏年でないので、今日は二月の末日であり、韓国では学期の末日であり、俺が釜山大数学科の教員でいられる最後の日でもある。2002年3月に赴任して、17年間勤務し、3年間休職し、今に至る。20年間、大変お世話になりました。俺にとっては成長と充実を絵に描いた17年間でした。良き同僚、良き事務職員、良き学生に恵まれ幸せでした。これから生きていく上での糧となる追憶の舞台となった数学科に感謝します。

2022年2月27日(日)

退院後、初の外出を敢行した。気分転換にはなったが、その前後の準備や苦労が大きすぎて割に合わないという結論に至った。

2022年2月26日(土)

右手の親指の痙攣が酷かった。

2022年2月25日(金)

いつミサイルが飛んでくるかわからない、迎撃する施設もない、制空権は握られており、敵国の戦闘機や爆撃機や無人ドローンが自由に飛び交い、軍事演習で準備済みの敵国陸軍が三方から押し寄せて来る、援軍が来るあてもない、同僚の何割かは敵国シンパ、という状況でウクライナの兵士は命を賭けて戦おうとするだろうか。抗えない強大な軍事力で国土を蹂躙されているウクライナの人々への同情を禁じざるを得ない。

2022年2月24日(木)

ロシアがウクライナへの侵攻を開始した。西側諸国の経済的結びつきや首脳同士の人間関係や安全保障常任理事国という立場が侵攻を思いとどまらせるというのは楽観論に過ぎなかった。今日のニュースで目にしたことは世界は相変わらず弱肉強食社会であるという厳然たる事実で、欧米諸国が束になって経済制裁しても国境は塗り替えられたままだろうし、ロシアに武力で対抗しようとする国はないことが明らかになった。原則論から「NATOをこれ以上拡大しない」というロシアの要求を米国は突っぱねたのだろうが、戦争を回避するためには譲歩しかなかったのではと思っている、結果論だけれども。

2022年2月23日(水)

今日は体調が悪く、午前は痰吸引を繰り返し、午後もカニューレ交換による違和感で痰吸引を繰り返した。

2022年2月22日(火)

妻が頭を洗ってくれた。こう書くと半年ぶりくらいに見えるが、実際は一週間に一回の頻度で洗髪している。

2022年2月21日(月)

韓国では春休みの期間である。月曜の朝なのに寝静まっていておかしいなと思ったらそういうことだった。

2022年2月20日(日)

カーリング女子決勝はオンライン礼拝の時間と重なったために、点差が開いて勝敗が決した場面以降しか視聴できなかった。

2022年2月19日(土)

昨日、痰が詰まり数秒間呼吸ができなかった。慌てて深呼吸すると痰の膜を破る空気穴が開いたが、痰吸引するまでの間、呼吸するたびにカニューレ内で蠢きまくる痰の音が響き渡り、生きた心地がしなかった。

2022年2月18日(金)

座ってしばらくすると背中がしびれてくる。座り直しやマッサージを妻子に頼んで改善を図るが連続して座る時間が一時間を超えると頼む頻度が増えてくる。食後は決まってつばが溢れ出し痰が詰まる。そんな時の痰吸引は一回で終わらず、数回に及び30分以上かかる。最近はプラケーススイッチを保持するための握力が低下し、スイッチを握らせてもらった途端に指から離れる事が少なくない。そんなときは誰かを呼ばなければならない。あまりにも頻繁に家族を呼び出すと申し訳ない気持ちが蓄積し、おとなしく横になって休もうという気持ちが働く。そんなときは、ソファから寝台へ移乗した後、姿勢を整え、枕の位置を調整して、つば受け用のタオルを口元において、布団をかけ、呼吸器を装着してもらうことになる。必要とあらば、痰吸引や下の世話を頼むことになる。こんなに苦労を強いても、横になって同じ姿勢でいるのは一時間が限界で、起こしてくれと頼むことになる。ここまで書いてきて、俺を介護してくれる家族に対して懺悔の気持ちが湧いてきた。昨晩は、午前4時に寝返りを妻に頼もうと足元においてあるおもちゃのアヒルを蹴り続けその鳴き声が響き渡った結果、妻は起きず、代わりに次男が起きてきて、助けてもらった。

今は悔い改めようと思うが、痰が詰まった時の息苦しさや夜中に暑さで目覚めた時の焦燥感は昼間の理性を軽く吹き飛ばしてしまうのだ。「業」という言葉が頭を過る今日このごろである。

2022年2月17日(木)

先週の退職記念集会でいただいたメッセージの数々が心に残っており、次の目標や仕事を見いだせずにいる。

2022年2月16日(水)

塩日記の一日分の文字数はその日の体調には相関関係がある。体調が悪いと座っているだけでストレスになり、文章を書く意欲を萎えさせる。手術前の状態には戻りそうにないが、体調が悪いのが常態化していて気に病まなくなった。要するにこれまで経験してきたことと同じということだ。

2022年2月15日(火)

携帯用の充電式吸引器が配達されてきた。

2022年2月14日(月)

妻は韓国のALS患者と介護者のネットワークに加入している。その情報によると、気管切開手術後、痰吸引の頻度が落ち着くまでに半年を要するらしい。このままの状態で一生を終えるわけではないらしいことがわかり、ほっとしている。

2022年2月13日(日)

王将戦7番勝負第4局は藤井が渡辺を制し王将位を獲得した。どの局も棋譜が素晴らしく、新手、妙手を双方が放ち合う見どころの多い戦いだった。

2022年2月12日(土)

午前にCIK、CEK、KYJとお子さん二人(敬称略)が見舞いに来てくれた。痙攣はなく、ゆっくりでも文字を打って会話ができたのがよかった。

2022年2月11日(金)

今日の出来事は心の中にしまっておくことにする。

2022年2月10日(木)

明日、俺の退職記念研究集会が開催される。オンラインでの参加で、開会の挨拶と答辞を仰せつかっている。今日はその準備で忙しかった。

2022年2月9日(水)

今日の体調は最悪だった。痰が詰まって、座っての作業ができない。吸引を繰り返しても痰が際限なく溢れ出し一向にすっきりしない。釜山大数学科の卒業生で浦項工科大に進学したKJH博士が見舞いに来てくれたのだが、痰のために寝て休むを繰り返す失礼を犯して閉まった。この場を借りてお詫び申し上げます。

2022年2月8日(火)

右手の痙攣が再発した。

2022年2月7日(月)

今日は登校日だったが、長男と次男が通う高校で新たな感染者が出たために子供たち全員が自宅待機となった。

2022年2月6日(日)

久しぶりにネット囲碁に興じた。心配していた右手の痙攣は起こらなかった。

2022年2月5日(土)

北京五輪が開幕した。夕方にテレビを付けると、ショートトラックスピードスケートが中継されていた。この競技は韓国が圧倒的に強いと聞いていたが、まさにそのとおりの結果だった。と思っていたが、過去大会のリプレイだったようだ。

2022年2月4日(金)

三男が喉の痛みを訴え、家の中を咳をしながら歩き回っていた。妻も風邪気味だそうで家の中でもマスクを付けて生活している。長男は今朝頭痛を訴え学校を休み、午後にPCR検査を受けに行った。まな板の上の鯉になった心境である。

2022年2月3日(木)

久しぶりにパワーポイント資料を作成した。

2022年2月2日(水)

旧約聖書のヨナ書を読めと言われて読んだ。ヨナが船に乗って大嵐に見舞われ自ら海に身を投じて嵐を沈め、ヨナは魚に丸呑みにされるも胃袋の中で生命を維持し、ニネベの街に引き戻される、云々という内容で、正直、わからないことだらけ、釈然としないことだらけだった。

2022年2月1日(火)

サウジアラビア戦は快勝だった。

2022年1月31日(月)

長男と次男が吸引の手順を覚えてくれた。これで妻は買い物に行ったり、三男を遊びに連れて行くことが可能になった。ただし妻の心境は複雑で、介護が勉強の妨げにならないかと心配している。

2022年1月30日(日)

なでしこジャパンが来年開催のワールドカップ出場を決めた。応援してるのだが、あまり話題になってないなあ。

2022年1月29日(土)

ネット通販最王手の会社を通じて介護用スライディンググローブを注文したが、韓国の税関を通過できず、返金されることとなった。一体、何故だという疑問は未だ解消されてない。

2022年1月28日(金)

「どんなに退屈でも予選は結果が最優先」
そう言い聞かせながら観戦した昨日の代表戦だった。中島が先発で出場していた頃の代表戦にはあった、個人技でゴールをこじ開けるという気概、W杯本戦でも見せてほしいゴール前での創造性に満ちたパス回し、安易なバックパスを避ける前への圧力、は見る影もなかった。その代わりに、守備の献身性、逆襲を喰らいにくい堅実すぎる組み立て、次戦に疲労を残さないためのゲームメイク、は磨かれていた。

次戦のサウジアラビアに勝てば、アウェイの豪州戦で引き分け以上で予選突破が現実になる。本戦では中島を召集してほしいなあ。

2022年1月27日(木)

昨日は訪問看護の日でカニューレを交換した。そのためか痰吸引の頻度が上がった。正直、「また同じことの繰り返しか」という感じだ。

2022年1月26日(水)

1月22日付けの塩日記で将棋の二日制の過ごし方について書いたが、友人からの指摘に基づいて検索してみると、「対局者はあらゆる電子機器を預けた後に就寝する」ということがわかった。憶測で主張するのはよくないな。反省中。

月曜から始まったオンライン研究集会も今日で閉会、興味深い講演ばかりで充実した三日間だった。オフラインだったら懇親会があって、それがまた楽しいのだ。これもないものねだりか。

2022年1月25日(火)

先週末、次男の級友が新型コロナウイルスに感染したとの知らせが入った。次男はPCR検査を受けて陰性だったものの政府の新指針により家族全員が一週間の自宅待機を強いられることとなった。

2022年1月24日(月)

オンライン研究集会に参加して一日中講演を聴いていた。発表もしたが、彼我の差は歴然としていた。壮大な大河ドラマが連なる中でショートコントをやっている趣だった。頭が疲れた。この感覚は久しぶりだな。サポートに来てくれたPJR博士、OSM博士、CEK博士、掃除と介護で大忙しだった妻にはまたしても大きな借りを作ってしまった。

2022年1月23日(日)

昨晩、三男がものすごい勢いで寝室に駆け込んできた。何事かと身構えたが、
「兄ちゃんの部屋でおならをして、ドアを閉めて来たよ」と興奮気味にまくし立てた。自然に笑えなくなったと思っていたけど大いに笑ったよ。

2022年1月22日(土)

王将戦7番勝負第2局が始まった。二日制なので、今日は封じ手で中断し、決着がつくのは明日である。ここで問題提起したいのが、中断から再開までの時間帯においてのAIの使用の是非である。

数年前に起こった対局中のAI使用疑惑への将棋連盟の応対を見る限り、上記の問いかけが是であるはずがない。しかし、中断後は外部やメディアとの接触が断たれた施設で過ごすなんて話は聞いたことがないし、AI使用が発覚した時の処分も明文化されてないと思う(多分)。さすれば、自宅の高性能PCに携帯でアクセスして封じ手以降の局面を解析することくらいはついついやってしまいそうな気がする。

こういうことをうるさく言わず玉虫色にしておくのは大人の知恵かもしれないが、それをかまびすしい現代社会がいつまで許容すのか、今後の動向を見守りたい。

2022年1月21日(金)

夜中に痰吸引と小便で計4回熟睡中の妻を起こしてしまった。申し訳ない。

2022年1月20日(木)

外出ができないので、日曜の礼拝はもっぱらオンラインである。今日は所属する教会の牧師先生御一行が見舞いを兼ねた家庭礼拝を催しに来てくれた。以前のようにタイプできないので、歓談に参加することはできなかったが、帰り際、
「毎週、オンライン礼拝を聴いています。実物に会えて光栄です。お越しいただき有難う御座いました」の韓国語訳を機械音声で読み上げると、思いの外、ウケた。

2022年1月19日(水)

痰吸引の頻度が下がる気配がない。

2022年1月18日(火)

トンガの海底火山の噴火は恐ろしいと思う一方で噴火の映像を見たいという好奇心を抑えられない。

2022年1月17日(月)

昨晩、眠気が一向に訪れなかったので、禁断の美味しいものランキングを作ってみることにした。山形で食べたざるそばがうまかった、中洲で食べた広島風お好み焼きがうまかった、鹿児島で食べたうなぎの白焼きがうまかった、富山で食べた出前寿司がうまかった、天神で食べたさばのしゃぶしゃぶがうまかった、台湾の超有名店で食べたシューマイがうまかった、などと美味しいものに関する記憶は尽きることがない。更には餓狼宴で綴っている料理の数々、海外出張先での歓待料理の数々が選考の対象になる。とても、一晩では終わりそうがないように見えるが、さにあらず。美味しかった記憶は高校と大学時代に集中している。例えば、運動で汗を出し尽くした後で甘辛い味付けの高カロリー高タンパクの料理をご飯と一緒にかきいれるのは無上の喜びだった。今となっては無い物ねだりなんだけど。

2022年1月16日(日)

一日の大半を呼吸器をつけて過ごした。

2022年1月15日(土)

今日は大学入試共通テスト初日である。かつて平坂塾で教えていた子たちも試験会場に赴いていることだろう。これまでの努力をぶつけてほしい。君たちが夢を実現するために挑戦する姿を見るのが俺にとっての一番の薬なのです。陰ながら応援してるよ。

2022年1月14日(金)

気管切開手術後、鼻と口は呼吸に関与しなくなった。毎日生じていた鼻詰まりもつばで咳き込むこともなくなった。嬉しいような、寂しいような。

2022年1月13日(木)

PJR博士が見舞いに来てくれた。今月24日のオンライン会議での発表の打ち合わせも兼ねている。夕方にはOSM博士が見舞いに来てくれた。車の名義変更に関する相談も兼ねている。俺がALSを発症して現在に至るまでの過程をほぼ月ごとの折れ線で知る二人である。俺が、歩けなくなったとき、喋れなくなったとき、食べれなくなったとき、笑えなくなったとき、そのたびごとに「こんな姿を見せたくない」と後ろ向きになる俺を励ますかのように、健康であったときと変わらぬ態度と笑顔で接してくれた二人でもある。

二人だけではない。会う人全てからなんらかの力をもらい糧にして生きている、いや、生かされている、そんなことを考えた一日だった。

2022年1月12日(水)

今日は通院日だが、延期することにした。

2022年1月11日(火)

今日は訪問看護の日で、カニューレ交換の日だった。右手の痙攣は昨日と比べて改善されたが、咳がひどく、寝込んで過ごした。

2022年1月10日(月)

右手の痙攣が止まらない。このHP開設以来最大の危機かもしれない 。

2022年1月9日(日)

吸引だらけの一日だった。

2022年1月8日(土)

小嶺監督が天に召された。島原商業、国見高校の快進撃を信じられない気持ちと誇らしい気持ちの半々で見ていた。ファンの一人として哀悼の意を表します。

2022年1月7日(金)

退院時、病院から自宅まで救急車を利用した。車で50分の道中、揺れる車内で痰が溜まったときに吸引できる環境が必要と判断したがゆえの決断だった。その日以来、外出は控えている。というか、寒すぎてとても無理である。であるのに、来週は外来で入院していた病院に赴かなければならない。オンライン診療とかあればいいのになあ。

2022年1月6日(木)

右手の痙攣が頻発するようになった。そのたびに誤クリックが起こり、作業ができなくなる。つばが流れ出る問題はビニール手袋で作ったつば受けで解消しつつある。一進一退、一喜一憂、これからどうなることやら。

午後2時半、CJS博士が見舞いに来てくれた。

2022年1月5日(水)

今日は訪問看護の日だった。

2022年1月4日(火)

呼吸器への依存が止まらない。手術後、呼吸器をつけた俺は機械の従属物になったかのように繋がれている感がありありで、医師が指定した時間がすぎると即座似「外してくれ」と頼んでいた。しかし今では事あるごとに「呼吸器をつけてくれ」と懇願するようになった。無菌状態の気道はカニューレというストローで外気に晒されている。そこは布団から出る埃や顎から垂れ落ちるよだれやふとした拍子でカニューレを塞ぐ衣服などの危険に溢れている。そんなことに神経を使うよりは蒸留水のフィルターを通した空気を供給する呼吸器のほうがマシだと思うからだ。こうやって生きるチカラが奪われて行くんだろうなあ。

2022年1月3日(月)

起床してソファに座るも、パソコンで作業すると咳き込み吸引、朝食を食べればつばがとめどなく流れ続け、おむつでは出せない固いうんこを排泄するために妻に無理を言って便器に座るが親指大の塊が出るのみで終わりが見えず、そんなこと繰り返した一日だった。こんな不毛な日々から早く抜け出したい。妻のためにも。






2022年1月2日(日)

退院後初日、馴染みの一人用ソファに座ってみた。途端に咳き込み吸引を施すも体が反り返りソファからずり落ちてしまい、足置きがないソファは危ないので使えないという結論だった。このためパソコン等の作業は車椅子でなされた。足置きがある車椅子は滑り落ちにくいかわりに快適性に劣るため、1時間座るのが限界だった。

退院後2週間経って、症状も落ち着いてきた。それを見計らって妻がソファに座ることを提案してきた。恐る恐る腰を下ろすと「悪くない」どころか「以前のように快適」である。生活の質の改善は生きる意欲に直結する。これで便秘さえ治れば最高なんだが。

2022年1月1日(土)

新年早々、便秘に苦しむ。

2021年12月31日(金)

痰吸引は万能ではない。いくら気道内にカテーテルを巡回させてもへばりついた痰は反応しない。そういう時の強い味方がレンタル中の咳誘発機である。大量の空気を送り込んで吸い上げるという単純な仕組みだが、その効果は絶大である。咳の原因となっている痰が浮かび上がり、吸引の餌食となる。

今日は平均して1時間に1回の割合で咳誘発機のお世話になっている。これからその頻度が下がって行くものと信じたい。

2021年12月30日(木)

口の中は雑菌であふれている。その一方で肺に通じる気道は無菌状態である。そこにカテーテルを差し入れる吸引には細心の注意が払われる。ビニール手袋の装着から始まり吸引管の洗浄に終わる一連の手順をミスなくこなすというのは介護者の負担増につながっている。「かーっ、ぺっ」と痰を吐き出せるのは健康体の証なのだ。

昨日は訪問看護の日でカニューレの交換が施された。交換後は痰吸引の回数がふえるとのことだが、案の定、日中を問わず、咳き込見、吸引し、また咳き込むというパターンを繰り返している。

2021年12月29日(水)

今日は体調が悪かった。

2021年12月28日(火)

入院中、血中二酸化炭素濃度のモニタリングが実行された。正常値の範囲は35から45で、俺のは40から50の範囲を推移していた。呼吸器を装着するとかろうじて正常値の範囲に収まるという結論で、呼吸器のご利益も微々たるものだなと思っていたが、退院後はその考えを変えつつある。まずは不眠症が改善された。夜眠れないこともあるが,以前のように焦燥感にかられることはない。M先生から頂いた「闇の中の光」という言葉を噛みしめる昨今である。

2021年12月27日(月)

気管切開手術後、声を失った。助けを呼ぶ方法は足を使って音を出すことだ。入院中は寝台の足元の壁を足の指でこすって音を出した。就寝時は金属製のゴミ箱の蓋を足元に設置して非常時に蹴り落とすことで音を出した。退院後は寝台の足元にビニール製のアヒルのおもちゃを設置して足で押し潰すことで「ピューイ」という音を出して助けを呼んでいる。

2021年12月26日(日)

昨日はクリスマス、義理の妹が贈ってくれたクーポン券で買ったケーキが箱に収まり我が家の食卓の真ん中に鎮座していた。一方で俺の体調は不安定で妻が万が一のときに備え再入院の準備で大忙しだった。こんなときに政権交代は起こるものである。プレゼントもなくイベントもない我が家のクリスマスを体験する三男を不憫に思った長男が
「おおーい、みんな集まれ」と大号令をかけ、ケーキを箱からだしお湯を沸かしていた。
「お父さんの世話でそんな気分じゃない」と渋る妻を知り目に長男はろうそくを立て着々と準備を進めた。ついには
「食欲がない」と面倒臭がっていた次男も食卓につき、政権寄りの長女も現れ、長い便所から帰還した三男をからかいだし、次男もそれに加わった。車椅子に座った俺の目の前には蝋燭の光越しに、仲がいいとも悪いとも言えない子供たちだけの濃密な会話が展開された。
「お父さんに食べさせてから」と言ってケーキを食べるのを拒否していた妻も俺の文字盤での
「ふんいきつくろう、せっかくじゅんびしてくれたのに」の一言に懐柔され、新政権の軍門に下ることとなった。

父母不在の十日間の生活を経て子供たちも変化したようだ。ともあれ長男の孤軍奮闘のおかげで忘れ得ぬクリスマスの夜を迎えることとなった。

2021年12月25日(土)

公共の電波を通じて「気管切開はしない」と公言してきたが、それをあっさり覆すことになった。救急車で酸素吸入を受けて応急処置がなされ救急病棟で医師と面会し、退院するか気管切開手術を受けるかの選択を迫られた。前者を選んだ場合、痰が絡まるたびに呼吸困難に陥りその緊急性を知らせることも問題となる。その呼吸苦を二度と味わいたくないと言う思いが募り後者を選ぶに至った。俺は信念の人ではなく、心も弱かった。

2021年12月24日(金)

一日の中で座って活動する時間が激減した。馴染みのソファが合わなくなったこと、気管切開の影響で首を動かすたびに手術部位が圧迫され、咳込み疲れるのがその原因だ。実はこれが一番辛いことかもしれない。

2021年12月23日(木)

痰がたまると酸素飽和度が落ちて放置すると呼吸困難に陥り死に至ることもある。そのため24時間体制で痰の吸引ができるようにする必要がある。俺の場合その役割を担っているのが妻である。手術後、妻の自由は以前にも増して大きく制限されることになった。この状況をなんとかして変えたい。

2021年12月22日(水)

今日は訪問看護の日で妻が吸引や手術部の消毒のやり方を学んでいた。やはり頼りになるなあ。

2021年12月21日(火)

人工呼吸器のお世話になっている。しかし、装着するのは寝るときの7時間のみである。その気になれば、装着しないで暮らすこともできる。ではなぜ気管切開手術を受けたのかという疑問が残る。その理由の一つは痰の除去である。喉に絡んだ痰が自力でだせなかったので息苦しくなり救急車を呼んだ。現在は喉に開いた穴に吸引器の管を入れることで容易に除去できる。声と引き換えに呼吸の維持を得たということだ。

2021年12月20日(月)

立ち上がる筋肉が急激に衰えたようだ。入院前はできていた便座への移動に危険が伴うようになった。その結果どうなったかはご想像にお任せしたい。

2021年12月19日(土)

枕の角度、体調等の幸まれないと文字がうてなkくんwっtあ

2021年12月18日(土) 

昨日、退院した。家に帰れたのは嬉しいが、入院前はできていたことができなくなっていて、喪失感が大きい。声もその一つだ。

2021年12月8日(水)

救急車で運ばれて、当日退院か一週間入院の選択を迫られる。後者を選び、手術の日を
待っている。

2021年12月6日(月)

会社の仕事、発表の準備で忙しかった。その労働効率の悪さに絶望的な気持ちになった。

2021年12月5日(日)

座っているのが辛くなってきた。改めて、世の中に発信し続けているALSの先人たちへ畏敬 の念を抱く次第である。

2021年12月4日(土)

クリックがうまく行かない。一時的なものであればよいが。

2021年12月3日(土)

PJR、OSM、CEK、CIK、CIKの夫人と娘(敬称略)が遊びにきてくれた。お客が来ると元気になるなあ。

2021年12月2日(木)

やたらと粘り気のある唾液が口の中にたまるようになった。吐くこともできないし、飲み込むこともできない。水位が上がると、気道が刺激されて、ムセに対して脅迫されている感じで非常に不快であり、また恐怖を感じる。自宅ならば吸引器があるが、外出中のときは、むせたときに吐き出すしか方法がない。

俺が所属する会社のイベントが明後日開催される。今日はzoom会議でその予行演習があった。社運を賭けたイベントを成功させようと皆が必死になって頑張っている。今回は弾丸の鑑識に関する話で、科捜研の気分が味わえるかもしれない。興味がある方は参加申し込み下さい。

2 Calc( )産業数理セミナーのお知らせ
 講演題目 : 【『弾丸の隠れた証拠』  似てる、似てないをどう判断? 類似性に基づく識別や健康診断に至るまで ~】
 講演者 : 前田俊二 博士(工学)
 司会者 : 下程ひかり  (自己紹介はこちら https://sunmath-calc.co.jp/news/1440.html
 対象:データについて少しでも興味のある方ならどなたでも!
 日時:2021/12/4(土) 10:30-12:00
 参加費:無料
 開催方法:zoom

 参加申込をしてくださった方に、zoom会議の招待をします。
 講演45分+参加者との座談会45
 毎回テーマを絞って、一般の方にもわかりやすくデータサイエンスなどの用語を紹介します。
今後、会員制にしてフォーラムを運営することを視野に入れて運営しております。
皆様のご参加をお待ちしております。

2021年12月1日(水)

朝ドラの「カムカムエブリボディ」を妻と視聴するようになった。夫婦生活で初めての出来事かもしれない。

2021年11月30日(火)

来年2月末に釜山大学を退職することにした。その後は年金が入って来る。奇跡的に回復して数学科に復帰することを夢見ていたのだがなあ。




2021年11月29日(月)

外国人の入国禁止措置を宣言する記者会見で総理が
「慎重すぎるという批判には岸田が責任を負います」と言ったことに妻が喝采を送っていた。確かにこういう大見得は国民の心に届くような気がする。

一方で長男の大村訪問に黄信号が灯りつつある。

2021年11月28日(日)

夜寝るときは下向きに近い横向きで寝ている。その態勢だと呼吸音しか出せないので、のけぞって助けをよぶことになる。そのうち声そのものが出せなくなる日が来るのを想像すると気分が重くなる。

2021年11月27日(土)

風邪は小康状態が続いている。咳が出るたびに軽くむせるのだが、それだけである。次男にも風邪の症状が出た。目に見えないウイルスというのは厄介なものである。

2021年11月26日(金)

障害年金関連の書類を準備するために日本総領事館にきている。と言っても、入館したのは妻のみで、俺は車の中で留守番である。そこで目にした二本のいちょうの木の葉っぱが陽光を受けて金色に輝いていた。その光景はひとりで妻を待つ俺の叫びたくなるほどの不安を取り除き生きる勇気を与えた、というのは言いすぎであろうか。

2021年11月25日(木)

昨日のクローズアップ現代プラスでサイボーグ化した英国人のALS患者のことが紹介されていたので興味深く視聴した。気管切開と胃ろうまでは他のALS患者と同じだが、彼には人工肛門と尿ろうが装着されており、会話をAIのアシストで高速かつ流暢にできる点が違っていた。

排泄の苦労を回避できるのは画期的だ。サイボーグという暖簾には最新技術が集まるだろうし、無償で技術の提供もなされることだろう。彼はAIと精神が融合する未来を意気揚々と語っていた。

しかし、同じ病気を持つ俺にはわかるんだよなあ。サイボーグ化の裏側では、かゆい、アツい、寒い、つかれる、という肉体の不具合と隣り合わせなのだ。人間として生きる辛さも人一倍わかっているのも彼なのだ。

2021年11月24日(水)

今朝、三男が咳き込んでいた。妻が病院につれていくと、アレルギー性鼻炎と言う診断が下りた。学校には行かせず家の中で過ごした。午後になると妻が風邪の症状を訴え、俺も夕方になると喉が痛くなった。まさにクラスター、などと言っている場合ではないのかもしれない。

2021年11月23日(火)

コロナ禍で衛生面に気をつけるようになって風邪を引かなくなった。俺だけでなく家族全員がここ2年間風邪とは無縁だ。肺活量が小さい俺には普通の風邪でも致命的なのだ。さすれば、コロナ禍時代はむしろ安全で収束後に危険度が高まる気がしてきた。

2021年11月22日(月)

アカスリといえば韓国が本場である。日本人観光客にはアカスリエステが人気でミミズのような垢の塊を見て驚くのが定番となっている。その技術は専門家のみならず一般市民にまで浸透しているところが本場たる由縁である。今日はシャワーの日で、寒くなくむせないという条件が整えば、妻は俺の手足をこすって見事なミミズをこしらえるのだが、今日はその日でなかったようだ。

2021年11月21日(日)

テストステロンの減少を実感する日々である。この一言に闘病記から始まって塩日記に至るまでの心情の変化が集約されているような気がする。

2021年11月20日(土)

昨年12月に結婚したCYJ教授が夫人同伴で遊びに来てくれた。来年には第一子誕生予定とのことだ。書きたいことは多いが、痙攣がひどくて書けない。

2021年11月19日(金)

足が貧乏ゆすりのように痙攣する。運動になるかもしれないと思って止めずにそのままにしている。

2021年11月18日(木)

今日は修学能力試験当日である。ウチの子供達が通う、小学校は10時に登校、中学校と高校は休み、一般企業も就業時間を遅らせる等、国をあげて早朝時の渋滞緩和に協力する日でもある。日本でもニュースになったりするのでご存知の方も多いだろう。来年は当事者の父兄として状況を眺めることになるなあ。

2021年11月17日(水)

昨晩の代表戦について言及する。

代表のパス回しは、南野―長友―富安―吉田ー山根―伊東のU字形が基本で、前がかりになって逆集を食らうことを避ける意図があったと思われる。しかし、攻撃面では1対1を挑んで突破を図っていい場面でもバックパスをするので、オマーンもサイドに人数をかけて修正することはなく、中央に球が来ない硬直した退屈な様相が続いた。

後半に三苫が入ると状況は一変して、突破から多くのチャンスが生まれ、得点への希望が見える展開になる。そのままスコアレスで試合が終わることは十分あり得たが、三苫の突破から伊東のゴールが決まり、アウェーで貴重な勝ち点3を得ることができた。

2021年11月16日(火)

昨晩、熱が布団にこもり目が覚めた。足で布団を蹴飛ばして涼をとる技は脚力の衰えと共にお蔵入りとなった。隣で熟睡中の起こすのは忍びない。しかし、暑さの不快感は募る一方である。もぞもぞと体の傾きの角度を変えても状況は変わらない。しょうがないので、「あのう、あのう」と妻を呼んでみる。それに対する反応はなし。声を出すと余計に暑くなるものだ。更に反応がない恐怖からか、声量が出せない不安からか、最後の方には金切り声を連発して妻を起こすことになる。さすがの妻もこういう時には不快感を隠そうとしない。「そんな声を上げたら私の立場がないじゃない」そう言って妻は窓を開けてくれた。すると、しっとりとした酸素が多く含まれていそうな新鮮な空気が風に乗って運ばれてきた。

何たる爽快感だろう、サウナの後の水風呂にも匹敵する快感が全身を駆け巡った。空気の大切さを学んだ夜だった。

2021年11月15日(月)

今週は韓国の受験生にとっての最大のイベントである修学能力試験が実施される。数学の過去問を見たことがあるが、質量ともに水準が高く、制限時間内に解ける気が全くしなかった。やはり、受験生は特殊な訓練を受けた集団なのだ。

2021年11月14日(日)

今日の夕食のメニューはカレーだった。先に御粥を入れた俺は寝室で横になり、台所での妻と子供達との会話に聞き耳を立てていた。「早く席につけ」という長男の声が響く。「お父さん、いただきます」は長女の声、食事を楽しむ幸せそうな雰囲気が伝わって来た。

2021年11月13日(土)

将棋の藤井聡太が新竜王の座に就いた。今後の目標を見出せなくなるのではと心配になるほどの凄まじい勝ちっぷりである。

サッカーのベトナムでのアウェー戦は1対0で勝ち点3を積み上げた。予選は結果が全て、次戦のオマーン戦も勝利して、「わくわく感ない」「伊東の個人技頼み」等の批判を吹き飛ばしてほしい。

2021年11月12日(金)

今日は右手の指の痙攣が酷かった。

2021年11月11日(木)

昨日の夜、浣腸を決行して、溜りに溜った宿便を葬り去った。自然療法を主張する妻が折れる形でなされた。時間が読めない、使い過ぎると効き目が薄れる,便秘の種類によっては逆効果になり得る、等の下剤の短所が解消される浣腸はまさに夢の技術である。それを自宅で汚物をまき散らすことなく成功させたのは俺的には常温核融合にも匹敵するのだ。

歓喜の夜が明けた今日、夕食を摂って冷たい牛乳を入れても信号が来ない。一喜一憂の日々は終わりそうにない。

2021年11月10日(水)

明日のベトナム戦は要注意である。慣れない気候と時差ボケと怪我は避けたいという心理が作用して、ボールは回るがゴールが決まらず時間だけが過ぎていくという展開になることも十分あり得る。両国には圧倒的な戦力差があるのも事実だが、最強国アメリカを追い返した歴史があるようにベトナムは決して侮れる相手ではない。

2021年11月9日(火)

不眠症の問題は解消したわけではない。夜眠れないのは相変わらずで、一時間でもまどろみに落ちたら大成功ということにして、眠りのハードルを低くしたに過ぎない。病は気の持ちようということなのだろうか。連続7時間熟睡していた頃が遠い昔のように感じられる。

2021年11月8日(月)

プロ野球のファイターズの監督に就任した新庄が面白すぎる。毎日のようにテレビで紹介されているから1億の年俸もすぐにもとが取れそうだ。踏み越えてはいけない範囲を心得ている常識破りのスターってなかなかいないんだよなあ。

2021年11月7日(日)

我が家で新型コロナワクチンを接種しているのは唯一人、長男である。彼は接種に対する意識が高く、自分で調べて予約して、学校を早退してまで二回の接種を行った。普段は面倒くさがり屋の彼が接種に積極的なのには理由がある。大村高校時代の吹奏楽部の友人に会うために日本に行きたいというのだ。

受験で忙しい時期が終わるのは2月末、そのときまでに日韓の往来がもとに戻っていることを切に願う次第である。

2021年11月6日(土)

NHKのドラマ「群青領域」を妻と一緒に視聴している。日本語を話す韓国人ピアニストを演じるシム・ウンギョンが主役なのだが、思い悩む場面ばかりで、彼女の代表作である「怪しい彼女」で見せたような底抜けの明るさが見られないのは残念な限りである。

昨晩は主人公がバイト先でセクハラにパワハラと横暴極まりない店長を咎める場面が出てくるのだが、その店長の風貌が岸田首相にそっくりだった。ちなみに総裁選の前に撮影は終わったはずだから悪意や政権批判の意図はなさそうだ。

2021年11月5日(金)

パワーポイントを使って作業しているが、テキストボックスの位置を制御できない、文字の大きさと色を揃えることができない、背景の色が変わらない、などの無知が原因の問題に直面している。詳しい人に聞けば即座にわかることが今の俺には難しい。やはり、学校や職場などの人の集まりは知恵を生み出すのだなあと思った。

2021年11月4日(木)

不眠症対策は「ねむらなきゃ」という強迫観念を持たないことだという助言をもらった。早速、今晩実践してみようと思う。

2021年11月3日(水)

昨晩は午前4時まで眠れなかったが、そこから1時間、意識を失うほどの深い睡眠が得られた。このことを肯定的に捉えたい。0は何倍しても0なのだ。少しでも眠れたことが嬉しかった。

2021年11月2日(火)

元指導教官の勧めで、来年1月の研究集会でオンライン講演することになった。無音でも面白く聞いてもらうために今から準備しないとな。そのためにも一日でも早く不眠症を克服したい。

2021年11月1日(月)

昨晩は目をつぶって横になっているだけで一睡もできなかった。昼間は目がシパシパして作業ができず昼寝するも、これも目をつぶっているだけで頭がスッキリすることはなかった。1時間眠ることがこんなに難しいとは思ってもいなかった。

2021年10月31日(日)

ほぼ2年ぶりに所属する教会に行ってきた。昨年の12月に引っ越してから訪れる機会は何度もあったが、オンライン礼拝のみでやり過ごしていたのだ。しかし、礼拝堂は2階にあるので、1階のモニターでオンライン礼拝だった。通常であれば、礼拝後は配食が始まり、1階の食堂は信徒でごった返すのだが、コロナ対策のため配食は実施されず、人々は帰途につき、12時半頃には駐車場が空になった。なんだか浦島太郎にでもなった気分である。

2021年10月30日(土)

備忘のために書いておく。夜中に何やらつぶやき始めたらそれは
「背中が寒くて前が暑い」ということだ。不眠が続き神経質になっているせいだと思うが、些細なことが気になってしまうのだ。

今日はハロウィーン、アパートの敷地で小さい子が集まるイベントがあり、三男がバンパイアのマントを羽織って飛び出していった。

2021年10月29日(金)

日本の貧富の格差は小さい方だと思う。物価が上がってないのも失業率が低いのも貧者には歓迎すべきことではなかろうか。政治家も知らないはずはないのに格差社会を強調するのは何故だろうか。

2021年10月28日(木)

昨晩も深い眠りが来なかった。昼寝も同様で起きた後の爽快感がない。

2021年10月27日(水)

夜が怖い。眠りたいのに一向にまどろみが訪れないのは地獄の苦しみだ。以前であればじっと我慢して夜が明けるのを待つことができたが、なぜだか今はできない。一人で苦しみに耐えることをせずに金切り声を出して妻に頼ってしまう。妻が寝返りを手伝った後も、眠気は訪れず、もぞもぞと理想の姿勢を模索するうちに足がベッドの合間や鉄柵に挟まれ、またしても妻を起こしてしまう。

2021年10月26日(火)

眞子様が眞子さんになった。はきはきと述べられた記者会見がマスコミに対する恨み節に聞こえたのは俺だけだろうか。

2021年10月25日(月)

全国高校サッカー選手権長崎県予選で、大村高校に通う1年生の甥がハットトリックを決めた。大村のアンリと呼ばれる日も近いだろう。やはり、俺の目に狂いはなかった。

2021年10月23日(日)

将棋の竜王戦第二局は挑戦者の藤井聡太三冠が豊島将之竜王を破り連勝となった。豊島が準備した作戦に対応し、豊島に弱気な指し手を強いて優位を築き終盤まで押し切るという、去年までの捕食関係が逆転したことを印象づける一戦だった。

この竜王戦は賞金額という観点から最高権威と言われるタイトルである。調べてみると、その優勝賞金は4200万円ということだ。これってあまりにも安くないか。週毎に開催されるゴルフやEスポーツの賞金額と比較したらバーゲンセール価格である。将棋人気が高まっている昨今、スポンサーを入札制度にすれば賞金額が数倍以上に跳ね上がっても不思議でないと思う。

現在、将棋連盟に登録されているプロ棋士は約160人で、その平均年収は800万円以下ということだ。年間4名しかプロになれない狭き門なのに、あまりにも安すぎではなかろうか。将棋連盟が互助会体質から脱却してほしいと願う昨今である。ゴルフみたいに予選を設けて本戦のみ対局料が生じるようにすれば小口のスポンサーが付きやすしいし、優勝劣敗ではあるが平均年収を押し上げることに繋がるのではなかろうか。

2021年10月23日(土)

吸引器が活躍している。口の中に溜まった唾液を除去するだけのことだが、むせた際の最も適切な対処法になっている。

2021年10月22日(金)

ほぼ2年ぶりに釜山大数学科を訪問した。久しぶりに合う教授の顔に呼応するように俺の顔もくしゃくしゃになったが、幸いにも涙が出ることはなかった。やっぱり、数学科の雰囲気はいいな。車椅子の首休めが邪魔になって、タイピングが遅くなったのが残念だった。集まってくれた人々と往来を手伝ってくれたPJR博士とOSM博士に感謝したい。

2021年10月21日(木)

妻も体調不良を訴えている。こういう時に我が家のいびつな構造が明らかになる。以前であれば俺がなんとか家事を担って妻が休める時間を作れたのにと思うと。悲しい気持ちになる。子供たちが買食いして食を確保できるのが救いである。

上の段落を書いたのが夕方で、妻が寝込んでいるときだった。その後、塩日記を読んだ妻が事実と異なると主張してきたので、以下に記す。
「家事を担うというほど手伝ってなかったくせに、自分だけ良く見せようとしている」
「寝る前に掃除はやったし、起きてからも買い物に行って夕食の準備をしたのに、あの文末だと何もやってないように見える」

なにはともあれ元気になって何よりである。

2021年10月20日(水)

体調不良の日々が続いている。明後日の数学科訪問は大丈夫だろうかと不安になる。なるべく元気な姿を見せたいのだがなあ。

2021年10月19日(火)

今日は昼寝をしながら昼食を摂った。

先週に引き続いてUさんの車でドライブに出かけた。別れ際、Uさんの「It's my pleasure」を意味する韓国語が心に沁みた。

今日はお隣の三男の同級生の誕生日で、近所の子を集めての誕生日会が開かれている。動画に夢中で家遊びが中心だった三男も積極的にアパート敷地内の遊び場に繰り出すようになった。こういうところが集合住宅の良さかなと思う。


2021年10月18日(月)

体調が安定しない日々が続いている。今日は寒かった。

2021年10月17日(日) 

財務次官のバラマキ公約批判が非難されている。競争を勝ち抜いて官僚の機構の頂点についても政治家の言いなりというのは哀れだなあと思う一方で、それでこそ民主主義が実践されるのだなあとも思う。

いくら財政出動が必要な時期だと言っても、その額に慎重になるべきではないのか。ほとぼりが冷めたら財政健全化の名目で消費税が上がったりするのではなかろうか。国債には利子が付き、その利子を返済するために国債が発行されて、ということが続けば債務不履行と言う事態に陥ったりしないのだろうか。俺には全くわからないので、詳しい人がいらっしゃれば是非教えて下さい。

2021年10月16日(土)

昨晩、PJR博士とOSM博士が遊びに来てくれた。俺の首タイマーは2時間が限界だった。

2021年10月15日(金)

朝から妻が体調不良を訴えていた。午後には妻のママ友のUさんの誘いでドライブに行く予定だった。先日の散歩の一件があったので外出は控えたいと内心思っていたが、妻の「せっかく誘ってもらったのに厚意を無にしてはだめよ」と言われ、最もだと思い直し覚悟を決めた。

Uさんの車はベンツで乗り心地が非常に良かった。後部席に座るのは俺と妻で、俺の頭が傾くと妻が元の位置に戻してくれる。その御蔭で一度もむせることなく、山の空気と紅葉を楽しむことができた。一時間のドライブの後、妻の体調も回復したようだ。妻風にいうと、「Uさんは天からの使いのような方だ」であろうか。

2021年10月14日(木)

俺の不眠を心配した妻が寝台にエアマットを装着してくれた。そのおかげもあって、目覚めを繰り返して合計4時間ほど深い睡眠を摂ることができた。すると、まず気分がいい、右手の痙攣が現れなくなり、便秘が解消、といいことづくめだった。やはり、睡眠は生活の基本、妻に感謝である。

2021年10月13日(水)

昨晩はよく眠れなかった。そのせいで一日中無気力だった。

2021年10月12日(火)

胸がすっとするというよりは、心臓に悪い試合だった。

2021年10月11日(月)

秋という季節は食欲や活動意欲が増進される反面、落葉に象徴されるように心に寂しさや鬱が生まれやすい季節でもある。昨日の散策で、自分の体は外出に向いてないことを痛感した。かと言って、家の中で座っていても疲れるし、寝ていてもじっとしていることに耐えられなくなる。そんな思いを抱えながら、胸がすくような景色を見たいと願い、明日の代表選に臨んでいるのである。

2021年10月10日(日)

久しぶりに近所を散策した。もちろん、俺は車椅子で揺られているだけである。本来ならば楽しい気晴らしになるはずだが、尻が痛いし、つばは吹き出てくるし、むせるし、排泄が気になるしで、表情は曇ったままだった。せっかく連れ出してくれた妻にも申し訳なかった。

2021年10月9日(土)

竜王戦第一局は挑戦者の藤井聡太三冠が制した。もう誰も止められないという印象だ。

サッカーはバックパスで失点という後ろ向きな敗戦、次戦の豪州戦は負ければ2位以内確保が他力となる。

2021年10月8日(金)

長女に頼んで頭と顔を掻いてもらう。BGMはユーチューブから流れるヒゲダンの一連の楽曲、すると長女が歌い出す。その歌声は万人が認める美声ではないけど、一人のALS患者を微笑ませる力を持っている。「115万キロのフィルム」がかかると、その歌詞が涙のツボに入り、泣き笑いみたいになった。「お父さん、痛くて泣いてるの?それとも笑ってるの?もしかして歌が下手だから笑っているの? 気分、悪ーーっ」という長女に「いやいや」と首を振って誤魔化すのに精一杯だった。

2021年10月7日(金)

NHKのクローズアップ現代で、将棋の藤井聡太と豊島将之の戦いが紹介されていた。見どころが多かったが、海外向けに殆どの映像が伏せられていたのが残念だった。AIがプロ棋士の実力を上回ってから10年以上が経つ。衰退すると思われていた将棋界だったが、藤井聡太という若きスーパースターとAIの利用により形勢が視聴者にガラス張りになったわかりやすさとが相まって、かつてないほどの追い風が吹いている状況だ。幸いに、将棋界には強いだけではない個性派棋士がわんさといるんだよなあ。明日から二人によって争われる竜王戦七番勝負が始まるが、こっちでも見れるといいなあ。

今夜の26時からサッカーW杯最終予選の日本対サウジの試合がある。日本にとっては最も厳しい条件の試合で引き分けなら御の字だと思う。オマーン戦の敗戦を挽回しようとして勝ちに行こうとして火傷を被ることは十分に有り得るので無欲で挑んでほしい。今回は時間帯が最悪なので視聴は諦めている。家庭内予選、敗退というところだ。

2021年10月6日(水)

最近、ヒゲダンを聴くようになった。その理由は長女が口ずさんでいるからだ。好きな子が好きだった米米CLUBを聴いていた十代の頃と同じだなと思った。

2021年10月5日(火)

吸引器が我が家にやってきた。早速、使ってみたが、口内のツバをん吸い取ることはできても、喉の奥のタンは取れなかった。管を思い切って奥まで入れればそれも可能になるだろう。

2021年10月4日(月)

ドラマや映画を妻と一緒に見ると、妻は出演者の容姿を辛辣に批評する。
「この女優には魅力がない」
「髪型が田舎っぽい」
「主演なのに全然可愛くない」などと普段の優しさはどこにいったの、女の敵は女だなあ、と聞いているこっちがドン引きするほどのコメントの連続なのだが、結構、的を射ていて、思っていても言えない事をズバリというので爽快であったりもする。

2021年10月3日(日)

移動式大便器が我が家にやってきた。今まではトイレに行って用を足していたので、ソファ、車椅子、便器までの往復で合計4回の移乗が必要だったが、今は2回に半減した。
この変化を一番喜んでいるのは妻かもしれない。

2021年10月2日(土)

指の痙攣と硬直は常に起こるわけではないが、起こらない時間帯が時を追うごとに短くなっている。そんな時間帯でも一度硬直が起きれば作業が一切できなくなり、誰かに頼んでプラケーススイッチを除去してエアマウスのみで作業することになる。これがどれだけストレスと絶望を生んでいるかわかってもらえるだろうか。

2021年10月1日(金)

右手の指が痙攣して誤クリックを繰り返すので、全く仕事がはかどらなかった。

2021年9月30日(木)

右手の人差指が制御不能になった。プラケーススイッチを握らせるときは人差指を避けて中指と薬指にかかるように握らせるべし。右膝の不調で引退を決意した白鵬の気持ちがわかるなあ。

2021年9月29日(水)

菅総理は「気持ちが伝わって来ない」と批判されたけど、仕事だけは淡々とこなしていたし、日本でのコロナ禍も収まりそうな気配だし、退任するのが惜しいなあと思っている。

2021年9月28日(火)

以前、数学科の後輩のT口君が会社を創業して、俺もその会社の一員として手伝っていると書いた。手探りで始めた事業であるが、今回、社の命運を賭けたイベントを開催するまでになった。詳細は https://sunmath-calc.co.jp/news/1440.html を参照されたし。

社長曰く「告知に力を入れて参加人数を増やそう」とのことだ。俺も釜山大で様々な講演会や研究集会を手掛けてきたから集客の重要性は身にしみてわかるのだ。だからこそ、一肌も二肌も脱いで社長を助けたいと思っている。

【スポーツにおけるデータ分析-初級- 相関係数で見る野球観戦 (野手編)】
◆ 対象:データについて少しでも興味のある方ならどなたでも!
◆ 日時:2021/10/2 (土) 10:30-12:00
◆ 参加費:無料
◆ 開催方法:zoom
◆ 参加申込: https://forms.gle/zsUGJ4WEYDbWeHni7

社長はデータ分析をプロ野球、特に広島カープの試合に適用して、地元のテレビ局に引っ張りだことなり名を馳せた人なので、きっと面白いイベントになると思う。登録後、キャンセルするのも自由なので、気軽にお申し込みください。

2021年9月27日(月)

高1の次男から数学の問題を質問された。人の役に立つのは喜びである。

2021年9月26日(日)

オンライン礼拝後の昼下がり、首が疲れたと寝台で寝そべっていると、妻が映画を見ようと提案してきた。妻が選んだのは「マチネの終わりに」だった。天才ギタリストが婚約者がいる女性に一目惚れして、略奪婚を試みるという現実離れした設定なのだが、福山雅治と石田ゆり子の好演が物語に説得力をもたらしていた。長女も一緒に見たのだが、「あの人、悪ーい」「今の場面、韓国ドラマだったら絶対水かけてるよねえ」などの母子の掛け合いが飛び交う展開になり、映画よりもソッチのほうが面白かった。

2021年9月25日(土)

ツイッターで川柳を発信しているが、最近はスランプでさっぱり浮かばなくなった。短歌に変えてみようかな。

2021年9月24日(金)

大学に入学したての頃、泥酔した友人をタクシーに乗せようとしたが嘔吐物で座席が汚れるという理由で乗車拒否された。歩ける距離だし、高校時代に柔道で培った体力と人を運ぶ要領があるから大丈夫だろうと思い、人力による運搬を試みた。しかし、全身の筋肉が弛緩した状態の体というのは通常の何倍も重く感じるものなのだ。おんぶして歩いても10m進むのが精一杯で、埒が明かないので、ビンタして無理やり起こして自宅まで送り届けた記憶がある。

なぜこんなことを思い出したかというと、就寝時の寝返りの際に、妻、長男、次男の誰が介助しても寝台の上に立ち上がっての大立ち回りになってしまうからである。そのたびごとに申し訳ないと思いながらも「体を裏返すだけなのに大袈裟だなあ」とも思っていたが、その考えは間違いであることに気づいた次第である。

2021年9月23日(木)

尻の肉が薄くなったせいだろうか、座っていると早く痛みを感じるようになった。半年前は平気で4時間座って作業する事ができたが、今は1時間が限度で、座り直し等の対処が必要になる。

2021年9月22日(水)

雑誌「数学セミナー」5月号でのエッセイ掲載に続いて、11月号でも掲載される見通しである。今回はイスラエルでの体験について綴っている。編集段階でお世話になったIさんに感謝申し上げます。

2021年9月20日(火)

胃ろう造設後、初めて湯船につかった。半身浴であったが、半年ぶりの風呂を堪能する事ができた。昨日の午前中の話である。

2021年9月20日(月)

今日韓国でも祝日である。本来であれば義父母に会いに浦項に行くのだが、コロナ禍ゆえの移動の自粛ということで取りやめになった。とはいっても、ステイホームばかりだと遊び盛りの三男に悪いと言うことで、洛東江の河川敷公園に来ている。そこはとにかく広いし、風も強い。そして、待ち受けるかのように移動式の売店ではビニール製の凧が売られていた。妻はその凧を購入、俺のお守りを長女に任せ、三男に凧あげを教えていた。初めは怖がっていた三男だったが、慣れるに連れ、野原を縦横無尽に走り回り、凧を空高く飛ばせるようになった。その様子を遠くから見ているだけでも初めて凧を上げたときの感動が伝わって来た。

それを素直に喜べない俺がいた。自転車の乗り方や凧あげを教えるのは父親の特権だったのになあ、と拗ねているだけなのだが。なんだか孫の成長を見守るお爺さんになった気分である。

2021年9月19日(日)

渋沢栄一は家族を蔑ろにしすぎではなかろうか、と思っていたら、ようやく妻子を呼び寄せるに至った。

2021年9月18日(土)

俺には日光浴が必要だと言う理由で洛東江の西側に位置する江西体育公園に行ってきた。立派なアーチェリー場があって韓国がアーチェリー強国である理由が垣間見られた。

2021年9月17日(金)

妻との結婚式で儀式の進行を取り持っていただいた牧師先生が他界された。がんの転移を繰り返して闘病中ということは聞いていたが、突然の死に心の整理ができないでいる。コロナ禍で葬式に出ることもはばかられるので、悲しみが先送りされながら増幅される感覚である。せめてこの場で、結婚後もお世話になっていた牧師先生に哀悼の意を表したい。

牧師先生、未熟な私達夫婦をご指導いただき、困難に直面した時にお祈りしていただきありがとうございました。今はただ安らかにお眠りください。

2021年9月16日(木)

PJR博士が遊びに来てくれた。韓国では来週旧暦のお盆を迎える。

2021年9月15日(水)

今日は病院に行く日だった。目眩の頻度が下がったのは僥倖だった。
主治医に睡眠薬を処方してもらったが、妻はなるべく使いたくないと言っている。

2021年9月14日(火)

衣服を剥ぎ取られた私は数千の同胞と共に収容所に送られた。そこは闇の世界で朝と夕に天蓋が開く時のみ光が差し込み、同時に同胞の一部が忽然と消えるのだった。収容所の内部は乾燥していてやたらと喉が渇いた。そんな思いを察してか、私にも外出が認められる日がやって来た。久しぶりに見る外の世界、それを楽しんだのは束の間で、別室に送られた。すると、あふれんばかりの大量の水が降って来た。喉の渇きを癒すには過剰だが、水遊びにはちょうどいい。私は童心に返って同胞とふざけ合った。2時間もそうしているとさすがに疲れる。静まりきった建屋が大きく揺れた後で異変が起こった。床暖房が効きすぎるどころか、居ても立っても居られないほど熱いのだ。同胞の何人かは熱さで気を失い水中を彷徨っている。ほどなく私も意識を失った。30分後、幽体離脱した私が見たものは白く変色し整然と並んでいる同胞たちの死骸だった。

米粒の視点を想像してみた。食べるという行為は他の生命を体に取り込む行為である。それが生きるということ、避けられない宿命だが、食べられる側のことも忘れずにいたいものである。

2021年9月13日(月)

女子プロサッカーリーグが創立され、昨日、開幕した。でもあんまり話題になってなさそうだ。

2021年9月12日(日)

三日前から起き上がる時や寝返りする時に軽いめまいを感じるようになった。眼振が見られることから良性発作性頭位めまい症と推測される。そういえば、頭を下げた状態でねていたことがあったからなあ。

2021年9月11日(土)

プルーンジュースを入れて便秘は解消した。穴をほって埋め直すような無意味な作業を4日間続けてくれた妻に感謝したい。

2021年9月10日(金)

四日目、三打数無安打、不振の出口が見えない。脳裏で
「何のために生まれて、何をして生きるのか」の歌詞が虚しく響く。

2021年9月9日(木)

頚椎カラーを巻いてうつむいた状態だと声が全く出ない。何が言いたいかと言うと、トイレに座っているときはどんなに苦しい目に遭おうと助けを呼べないということである。

2021年9月8日(水)

パラリンピックが無観客に近い状態になったことは非常に残念なことだったと思う。特に小中学生が障害者の奮闘する姿を直に見て何かを感じる機会が消失してしまったことは遺憾である。コロナウイルス感染拡大の第5波が最も来てほしくない時期と重なったとは不運としか言いようがない。

2021年9月7日(月)

昨晩は三度起きたが、その直後に1時間眠れたのでほっとしている。ここ数日、本当に眠気が訪れず「眠り方を忘れてしまったのではなかろうか」と思い悩んでいたのだ。今日は爽快で無気力でもない。深夜にキックオフの代表戦にも準備万端なのだが、問題はネット中継があるかどうかと家庭内最終予選を突破できるかということだ。

2021年9月6日(月)

夜、眠れない。なぜだろう?

2021年9月5日(日)

最近、漂ってくる食べ物の臭いを不快に感じるようになった。以前は好きだったにんにくや魚の臭いが苦手になってきた。妻の知り合いのALS患者も同様のことを訴えているらしい。






2021年9月4日(土)

唾が止まらないどころか、黙って座っているときでさえ気道にまとわりつきムセを誘発するようになった。気管切開を行なえばこの苦しみから解放されるが、24時間体制で痰吸引の準備が必要になる。そう考えると今の生活でも相対的に幸せなんじゃないかという気がしてきた。

2021年9月3日(金)

アル中のように指が震える。そのせいでせっかく握らせてもらったプラケーススイッチが指から離れてしまう。今がその状態である。ポインターを一定時間停止させるとクリックするという機能を利用して文字入力を行っている。時間がかかるのが難点で、これだけでも20分を要した。作文嫌いな子の心情がわかるなあ。

2021年9月2日(木)

長男と次男は夜遅くまで起きていて、俺が呼べば寝返りや小便の世話をしてくれる。いわゆるヤングケアラーである。無理強いしているわけではなく、彼らの夜ふかしをしたいという欲求と彼らの母の負担を軽くすることが一致しての行動なのだが、彼らのオンライン授業中の眠そうな表情を見るからに「これはいかん」と思うようになった。睡眠誘導剤の導入等の対策を思案中である。

2021年9月1日(水)

数学科の後輩で一連の闘病記で何回か登場したT口君が起業した会社の一員として活動している。なので今はT口社長と呼んでいる。この会社は企業が抱える産業数学的な問題を数理的または統計的手法で解決に迫り、就職難にあえぐ博士号取得者たちの人材活用を図ることを活動の主軸においている。まだ初年度ということもあり、多くのメンバーが無給または兼業で働いている。ちなみに俺の役割は会社のHPの管理である。

孫正義さんが言っていたように豆腐の個数を数える単位で会社の売上が出るといいな。以下の会社をお見知り置きください。

https://sunmath-calc.co.jp/

2021年8月31日(火)

昨年の12月に釜山に引っ越して以来初めて、4人の子供が全員学校に行った。長男と次男は週替りで登校と自宅でのオンライン授業に行くので、どちらか一人は家にいるのだが、今日は模試ということで二人共出ていった。

2021年8月30日(月)

プラケーススイッチをうまく制御できず、二度押しが頻繁に起こり、あらゆる場面で支障が出ている。

今日は三食ともお粥だった。注射器にピストンで圧力をかけ流しこむ技を覚えて以来、妻の「栄養剤ではなく手作りのものを食べさせたい」というやる気が高まっている。

2021年8月29日(日)

古くからの友人である渡辺君が渡辺先生となってユーチューブデビューすることになった。全力で応援したいのでリンクを貼っておく。
https://www.youtube.com/watch?v=IPLVlfnwd7I

渡辺君は数学科出身である。しかし、それは渡辺君の一面に過ぎない。彼がツイッターで公開しているプロフィールを引用すると、

信託銀行→予備校→セミリタイア@四国。ラジオパーソナリティ(調布FM83.8毎週火曜日19時より「合格総研」放送中)。修士(理学/国際関係学/経済学/教育学)宅建士/FP。合気道/ダイビング/ドラム。

のように多才で多様な側面を併せ持つ人物なのだ。

半年ほど前に彼に
「教育系ユーチューバーの需要はまだまだありそうだからやってみたら。予備校で教えた経験のある渡辺君なら成功間違いなしだよ。何より、渡辺君の話は面白いもん」と焚き付けてはいたが、
「著書の校正が終わってから」という返事で、今回、ようやく一本目の動画が仕上がったという経緯がある。今後、彼が動画の本数を重ねていって教育コンテンツとしての外郭が築かれ名声を博するまでの成長物語が今から楽しみである。

彼の人柄と授業の面白さが何百万という人々に伝わるといいなあ。

2021年8月28日(土)

通渡寺に行ってきた。生い茂る松の群生が見事だった。信号は来て、三打数三安打だった。

2021年8月27日(金)

クリックがうまくできなくなった。信号も来ない。

2021年8月26日(木)

午前中、朝食を摂っても信号が来ないので、追加で栄養剤とコーヒーを入れるように妻に頼んだ。食後にチューブを掃除するための水を含めると約1リットルの液体が胃袋に入ったことになる。数学の論文を眺めながら信号が来るのを待っていた時に異変が起こった。

コーヒーの匂いが胃から口へと上がってきて、不快な状態が続いたあと吐き気をもよおし、液体の一部が逆流してきた。「どうすればいいんだ?」と途方に暮れているとインターホンの音が室内に響いた。妻が言う。
「今日は訪問看護の日だった」

看護士はビニール袋を出して、胃の下においてチューブの受け皿とした。すると胃の中の液体がチューブの中で逆流し、水かさが増していった。その後、原因が除去されて吐き気も収まった。看護士の方の機転と逆転の発想に感服した次第である。

ただ問題なのは夕食をとっても信号が来ないことである。

2021年8月25日(水)

昨日のニュースになるが、裁判官の仕事も命がけだなと思った。自分のみならず家族にも危害が及びかねない状況で巨悪の圧力に屈せず正当な判決を下せるものだろうか。暴力と戦っているのはミャンマーや香港やアフガン等の海外の事例ではなく実は国内の身近な地域だったということに衝撃を受けた。

2021年8月24日(火)

パラリンピックの開会式がネット中継されていて、今、それを見ている。小中学生の観戦については賛否両論があると思うけど、各国の入場行進の様子を見ると、有観客で良かったなあという気になる。

2021年8月23日(月)

義父母が自宅アパートに来てくれた。俺の固まって動かない両手をマッサージしながら
「必ず薬ができる日が来るから希望を捨てないで頑張れ」という励ましをもらった。こちらとしては、幸せにするからともらった妻を不幸のどん底に落としてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいである。俺のことよりも義父母自身の健康に気を遣いいつまでも元気でいてほしいと思った。

2021年8月22’日(日)

最近、文章が湧いてこない。これもALSの症状の一つなのだろうか?自ら選択したこととはいえ、数学を含めた精神活動の領域が萎縮していくようで不安になる。

2021年8月21日(土)

M先生からのメールで
https://news.yahoo.co.jp/articles/c0e3b73df6d3e2622bad411468a496212f3c73e5?page=1
という記事が添付してあった。排便や寝返りに関してあるがままの姿が描写されていて、頷くところが多かった。

2021年8月20日(金)

和歌山の山奥の限界集落の廃校を改装したシェアハウスがNHKで紹介されていた。家賃無料で月二万円の共益費で飢えることなく生活できるとのこと。インターネットは使い放題で、都会の生活に疲れた若者が集っていた。団体生活だけど仲が良いわけでもなく、適度な距離感で暮らしているらしい。地元の人も好意的で野菜などの食料を提供していた。


2021年8月19日(木)

パラリンピック関連のニュースが増えている。競技者の映像を見て、
「障害と言っても全然たいしたことないよなあ」と思うのは心が病んでいる証拠なのだろうか。

2021年8月18日(水)

ニュージーランドでは市中感染者が半年ぶりに現れたらしい。同じ島国でこの差は一体何なのだろうと思う。そんなことを言い出せば英国に比べればはるかにましと言う声が聞こえてきそうであるが、衛生観念や公共意識が高いと言われていた国民性は感染拡大を防止するのにあまりにも無力だったという印象である。

分かっていたことであるが、専門家と呼ばれる人たちでも分かってなかったんだよなあ。

2021年8月17日(火)

胃ろう造設後、初めて全身にシャワーを浴びた。チューブが出ている部分に防水シートを貼って、防水仕様の車椅子に座り、服を脱ぎ、垢を落とした。念の為に書いておくが、部分的にシャワーを当てて洗い流すことは定期的に行っていた。

2021年8月16日(月)

元指導学生だったOSM、CEK、CHY(敬称略)が遊びに来てくれた。今日は振替休日で仕事は休みだそうだ。今日の主役は三男だった。ポケモンカードを持ってきて知識を披露し、三人と五目並べに興じていた。喋れない俺に代わり十二分にホストの役割を果たしてくれた。頼りになる奴だ。

2021年8月15日(日)

青果市場の駐車に停めた車の車内で一人で待つ俺を気遣ってか、妻が携帯電話をつけっぱなしにして音楽を聴けるようにしてくれた。流れた曲は「マリーゴールド」、やばいと思って聞き入っていると案の定、目、鼻、口から大量の液体が溢れ出し、そのまま10分間を過ごすことになった。

2021年8月14日(土)

ひょんなことから寝室で横になる俺の周りに四人の子供が集まり映画を鑑賞する事になった。その映画はたくさんのヒーローが現れ悪党を倒すという内容で退屈であったが、子供たちに囲まれているという安心感と喜びは得ることができた。

2021年5月19日(水)

就寝時に体の向きを変えるときの覚書。

横向きの体の前に障害物があると顔が下を向かないので、ツバを飲み込めないし吐けない状態になる。向きを変えたばかりのときは大丈夫でもそのままだとツバが溜まっていき、苦しくなる。やってほしいことは体を後ろから引っ張って前に空間を作り、顔が前に傾くように枕を調整し、指が下敷きにならないように腕の位置を調整すること。

2021年8月12日(木)

先週の木曜日に遊びに来てくれた三人がまた来てくれた。今回は妻がブルコギを準備して昼食をふるまった。HSHは昨晩からの二日酔いで食事が喉を通らず寝込んでしまった。KKYは躓いて転んだということで顔に派手な傷をつけて現れた。CHYとKKYは来週米国に発つとのこと。

柄にもなく説教じみた処世術を語ってしまったが、三人とも細かいことは気にせず大成してほしいと思う。

2021年8月11日(水)

頻尿に歯止めがかからない。ネットで対策を調べたところ、我慢して尿センサーを鍛えると良いとのことだ。しかし、介護に依存する身なのでなかなか思うようにいかないのだ。

2021年8月10日(火)

昨日放送されたNHKスペシャルは色々と考えさせられた。原爆投下後の長崎と広島で残留放射能と住民の健康被害の調査が米軍によってなされたが、その調査結果は政治的理由により隠蔽され、黒い雨が降った地域の農家が風評被害を恐れ泣き寝入りするしかなかったという内容だった。

これが放送されたということは米国の見解が変わったということだと思うが、もしかして先日の黒い雨訴訟の政府上告断念と関係があるのだろうか?Wさんならご存知だろうか?

2021年8月9日(月)

スコットランドのセルティックスに移籍した古橋がダンディ戦でハットトリックを達成した。Jリーグ出身の選手が活躍するのは嬉しい限りである。

2021年8月8日(日)

水分を大量に摂取しているせいか頻尿に悩んでいる。寝る前に出しても就寝中に2回以上尿意に襲われるので、不眠を助長する結果となっている。と言うか、正常な睡眠は尿意を感じないホルモンを分泌するらしい。先週、訪問看護士さんに相談したところ
「そういう問題が出てくる年齢でもあります」と言われた。

2021年8月7日(土)

昨日は浦項に行って義父母に挨拶してきた。義父の髪が真っ白になっていて心配になったが「白髪染めをやめただけだ」と聞いて安心した。

2021年8月6日(水)

車内にて妻と長女がおしゃべりに興じている。お互いの性格の話になり、長女が「お父さんみたいな正確になりたいな」と確かに言った。オリンピックで金メダルを取るより嬉しかったよ。取ったことないけど。

2021年8月5日(木)

米国留学中で一時帰国しているKKYとCHY、数独の韓国代表であるHSH(敬称略)が遊びに来てくれた。事前に首を休めていたが、2時間経つと疲労に襲われ再び寝込んでしまった。数学の問題を解いたり、次男との五目並べを観戦したり、楽しい時間であった。

2021年8月4日(水)

東京五輪のロゴのデザインは秀逸だなあと見るたびに思う。

女子サッカーは準々決勝敗退。年齢別世界大会で優勝を重ね、この子たちが代表の中核を形成する頃に、ドリブルで相手を翻弄しパスを繋いでいつの間にかゴール前でチャンスが生まれ、体力的不利から2点取られるも圧倒的な攻撃力で3点取っ手勝つようなサッカーが展開されるだろうと期待していたが、現実にはそうならなかった。

男子サッカーは準決勝で敗退。ネット中継で観戦した。スペインは強かった。日本の自慢のパスワークが安々と絡み取られていたし、自慢の守備網は安々と突破された。それでも最小得点差であわよくばという期待を抱かせるのがサッカーと言う競技の特性であるが、技術という観点で大きな差を感じた。


2021年8月3日(火)

五輪で浮かれているけど、コロナがすごいことになっている。休校とか強制休業とか外出制限と街道制限とかできることはやっておいたほうがいいのでは。自由主義国家だから難しいのかなあ。

2021年8月2日(月)

プラケーススイッチを交換してみた。僅かな力にも反応してくれるので心強いが押したまま戻せなくなるときが起きるので困りものである。

2021年8月1日(日)

今日の午後、友人家族が我が家を訪れ、テイクアウトのカムジャタンを一緒に食べた。もちろん俺は栄養剤を入れた。

2021年7月31日(土)

早朝、寝床にいる俺に妻から「布団をかけようか?」と声がかかる。「暑苦しくて目覚めたのに一体何を行っているのか」と思い、首を横に振った。妻は近づいてきて俺の額に手を当てた。「こんなに涼しいのに汗かいてるの?」と言うやいなや妻は車輪付きの寝台を回転させ、窓とドアを結ぶ風の通り道に位置を変えた。すると、体全体が涼やかな空気に包まれ、再び深い眠りについた。

2021年7月30日(金)

昨日は20回目の結婚記念日だった。かくして、その日が過ぎてから「結婚記念日、いつだっけ?」と言い出し、何の準備もせず、何の行事も行わず、お互いに責任をなすりつけあう、我が家の伝統が今年も更新された。

今日のお昼にCJS博士が遊びに来てくれた。妻とも仲が良く、二人のおしゃべりの時間が長くなると途端にまぶたが重くなった。直前に栄養剤を入れたのが原因と思われる。どうか悪く思わず、また気軽にいらしてください。

2021年7月29日(木)

韓国のALS患者とその介護者たちで構成されるSNSがある。妻はその会員で、オンライン上で介護に関する様々な情報を共有してきた。今日はその会員の中でも特に仲がいいYさんが我が家にやってくる日である。

お互い顔も知らないのに友人となり、オフラインでも会えるSNSは現代ならではと思った次第である。

2021年7月28日(水)

元指導学生だった、PJR, OSM, CEK, HDH, CHY(敬称略)が会いに来てくれた。首と背中が疲れて途中で休んだが、起きて団らんに加わると「3時から用事がある」ということでお開きとなった。すまないことをしたなあ。我慢して居続ければよかった。

皆が人生を切り開こうと頑張っている姿が一番の薬になるよ。忙しい中、来てくれて本当にありがとう。

2021年7月27日(火)

卓球の混合ペアはあの卓球大国を破っての金メダル、凄すぎる。生中継で見たかったなあ。

2021年7月26日(月)

胃ろう造設後、水分の補給が容易になった。それはいいのだが、トイレが近くなった。

芳田司選手、見事な内股で一本勝ち。

男子柔道は韓国選手が準決勝で敗れたので、決勝の中継は打ち切られる可能性大である。

2021年7月25日(日)

テレビを点けっぱなしにしていた。アーチェリー女子団体で韓国は他国を圧倒して優勝した。表彰式が終わると、柔道競技の中継が始まった。

阿部詩の決勝の相手は強敵である。一本を取る技を持っているし、型にはまらない多彩な崩し技もあり、見ていて楽しい柔道をするのだ。しかし、柔道は相手あってのもの、決勝で相対峙した両者はお互いの良さを消し合うような慎重な展開が続いた。

阿部詩の寝技で抑え込んでの勝ちは味わい深かった。寝技で勝てるのは努力と実力の証だからである。

さあ次は一二三の番だと期待に胸を膨らませていると、水泳会場にカメラが映り、柔道会場に戻って来ることはなかった。

2021年7月24日(土)

韓国はフェンシングやアーチェリーが強い。それゆえ、テレビを点けても、それらの競技中心の構成となる。ヨーロッパでアテネ五輪を視聴した時も、自転車やボートや陸上が中心で、「日本で見ていた時の五輪とは印象が全く異なるなあ」と思った。

それはさておき、「フェンシングの剣と日本刀ではどちらが実戦的だろうか」という疑問が湧いてきた。遠い間合いから突き刺さって来る剣の軌道を見切るのは容易ではなさそうだが、いかがなものであろうか。

2021年7月23日(金)

昨日の男子サッカーの試合は視聴できた。久保のゴールまで拝めて大満足である。同組のメキシコとフランスの試合はメキシコが圧勝、ということは、次戦のメキシコ戦の勝敗は予選リーグ突破という観点からいうとどうでもいいものになった。主力を休ませて引き分け狙いの塩試合でメキシコ戦に臨むのが現実的だが、自国開催の手前、そういうことはできないし、やらないだろうなあ。この年代のメキシコはかなり強いので、経験と思ってぶつかってほしいと見る側として思う。

2021年7月22日(木)

胃ろうに栄養剤を入れていると猛烈に眠くなる。

愛用の一人用ソファに座るとき、背中が押し付けられて以前のように長時間座ることが困難になった。

プラケーススイッチのスイートスポットに指がかかればなんとか押せそうだ。

今日は男子サッカーの試合の中継があるといいなあ。

2021年7月21日(水)

色々な条件が重なって、韓国のテレビ局でなでしこJAPANの試合を視聴する事ができた。岩渕のゴールは素晴らしかった。

2021年7月20日(火)

胃ろうがなかったときには敬遠しがちだった野菜ジュースを毎食入れている。

指の力がなくなってきた。昨日のタイピングの調子の良さは最後の徒花だったのか。今日は一行書くのも一苦労である。

2021年7月19日(月)

昨晩、よく眠れたせいか、タイピングの調子がすこぶるよかった。だったら、もっと書き足せよと言う声が聞こえてきそうであるが。

2021年7月18日(日)

「またか」と思われるかもしれないが、便秘の話だ。今日で四日目、栄養剤を入れても、野菜ジュースを入れても、牛乳を入れても、信号が来なかった。最終手段の下剤を入れて、待つこと二時間、微弱な信号がやってきた。曖昧な状況に不安がる俺に妻が
「こういうときには神様にお祈りしないと」と言って送り出した。

結果は大成功、やはり神の力は偉大である。

2021年7月17日(土)

夜、眠れない。先日、胃ろうの消毒の指導のために訪問看護士がいらした。その方いわく
「一日中、動かなくてじっとしているから、疲れることもなく色々と考えるから眠れない」とのことだ。おっしゃるとおりのような気がする。

2021年7月16日(金)

注入している栄養剤は大豆が主成分のあらゆる栄養素が詰まった完全食品らしい。皆、不完全なものを好むから食糧危機が起きるんだよなあ。持続可能な社会の実現に向けての食事を先取りしていると思えばよいかも。

2021年7月15日(木)

NHKの幼児向け番組「いないいないばあ」をやむなく視聴した。どこかの海岸に「うーたん」という犬の着ぐるみが現れ、「海パンを忘れたから海に入れないよう」と言っていた。ちなみにうーたんは衣服を一切身につけていない。海パンの用途と役割について深く考えさせる一幕だった。

訂正:上記の「うーたん」は「ワンワン」の間違いでした。教えていただいたN先生に感謝申し上げます。

2021年7月14日(水)

入院前と比べると明らかに飲み込めなくなっている。以前は余裕で食べていたヨーグルトやすりりんごが完食できなくなったし、定番の卵ご飯も喉につかえるようになった。おそらく、頑張って食べ続ければある程度元に戻ると思うが、いかんせん根性がない。胃ろうという逃げ道があるので、ついつい楽な方に流されるのだ。

人類が文明の恩恵を受け、暑さ寒さに耐える力等の生命維持力が退化する過程を体験している感覚だ。

2021年7月13日(火)

午後3時に通っている教会を代表して3名の方々が見舞いに来てくれた。

午後4時半にPJR博士とOSM博士が見舞いに来てくれた。

有り難いことである。

2021年7月12日(月)

今日二回目の栄養剤を注入した後、胃がもたれ2時間ほど苦しい時間を過ごした。昨年末にも起こった消化不良と症状が似ていた。今は回復したが食事するのが怖くなった。

2021年7月11日(日)

午前8時に栄養剤を注入。妻によるとこの栄養剤はコーヒー味の液体で普通に飲んでも美味しいらしい。正午に栄養剤を注入。午後2時に白桃のジュースと少量のカレーライスを口から摂取、直後に栄養剤を注入。

午後7時に栄養剤を注入。妻によると栄養剤は1日5回がノルマとのこと。

2019年7月10日(土)

胃ろうの出口は毎日消毒して出し入れできるか確認しなければならない。その作業は妻が担っている。

昨晩、入院中に配送されてきたエアマットを敷いて寝てみたが、結局、午前5時まで眠気が来なかった。入院中は鎮痛剤を点滴で打っていたせいで睡眠が誘導されたのかもしれない。

2021年7月9日(金)

一日四回、栄養剤と水分を胃ろう経由で摂取している。慣れないせいかお腹が重い。消化が悪いというよりは膨満感が持続してスッキリしない感じだ。失った体重を回復させようと頑張っている妻のやる気に水を差すようで申し訳なく思う。

2021年7月8日(木)

昨晩の午前4時ごろ、入院中の俺は浅い眠りを繰り返していた。点滴と脈拍計測の管で繋がれているので不自由でエアマットの突起のために体を傾けるのも困難な状況だった。

病室のドアを開ける音が聞こえ、何者かが近づいてきた。その彼もしくは彼女は内側に折りたたんでいた俺の左腕を引き上げ、血圧を測定し始めた。そこまではよいのだが、俺の左腕は伸ばされたまま体の外側に置かれた。
「まずい。これでは仰向けになり、ツバが飲み込めなくなる」そう思った俺は悲鳴を上げて看護士を呼び止めようとしたがあっさり無視され、代わりに妻を起こすことになった。

これから介護や医療の道に進もうとする若者に
「ALS患者の寝相を変えたら元に戻すように」と声を大にして訴えたい。

2021年7月7日(水)

明日、退院することになった。

吸引歯磨きが非常に快適だった。

2021年7月6日(火)

俺のような要介護患者が韓国の病院に入院する場合、介護者をつけることが患者側に義務付けられている。探せない場合はお金を払って雇うことになる。今回の場合、俺の介護者は妻で、24時間付き添ってもらっている。ちなみにウチの子供たちには寝泊まりする保護者をつけている。

日本の病院だと完全看護であるかわりに病院に寝泊まりできる公的な付添は認められてないだろう。これには該当しないが、日本の病院で研修経験のあるという研修医が
「韓国の医療は米国の影響が強い。日本の医療はドイツからじゃないの、カルテと言うし」と言っていた。

2021年7月5日(月)

月曜日ということで午前中は検査の嵐だった。3回も採血があり、心電図を記録する機器を24時間装着することになった。午前5時のレントゲンは宿便の測定のためということがわかった。夕方になると主治医が病室を訪れ、
「検査結果は全て良好です。これなら水曜か木曜に退院できますね」と言った。

入院生活は不便だけど生命維持と言う観点からは「守られている』という安心感がある場所だった。一方で、胃ろうをつけた状態で自宅で過ごすことに対する不安が増大しているう。消毒はどうするのか、シャワーは浴びれるのか、ふとしたはずみでチューブが外れたらどうするのか、チューブの交換の周期は、等の疑問が尽きない。

ああ、こんなときに大村でお世話になっていた訪問看護士さんがいてくれたらなあ。

2021年7月4日(日)

入院した日からずっと食べ物を口にしていない。しかし、栄養剤が点滴と胃ろうを通じて供給されるので、空腹を感じることはない。不安なのは使わないことで飲み込む力が弱くなっているのではないかという点だ。健康な人には実感しにくいだろうが、自分のツバを飲み込めない時間帯が日毎に増えている。退院したら元の状態に戻るとも思えない。そういったことを踏まえて、今回の胃ろうの造設の時期はぎりぎりだった。

食べる楽しみはとうの昔に失っていて、長引く食事は苦痛と恐怖を伴っていた。胃ろうを使えば5分で食事が終わる。夢のような話ではないか。妻の手料理が恋しくなったら餓狼宴を読み返せばいい。

2021年7月3日(土)

午前5時に移動式レントゲン撮影機材がやってきた。指に針を刺す血糖値検査も一日数回やってくる。血圧も一日4回は測っている。中心静脈までカテーテルを通した点滴とは一心同体で栄養剤と食塩水と鎮痛剤の補給に定時間隔でやってくる。たかが胃ろうの手術をした命の別状がない一人の患者のためにこれだけの労力が注がれているのである。

これらの業務をミスなくこなさねばならない看護士を始めとする医療従事者は大変だなあと思う一方で、検査が省力化されれば皆が幸せになれるのになとも思った。

2021年7月2日(金)

胃ろう造設手術後、24時間が経過した。この間、起きることは許されず、レントゲン撮影や骨密度測定も移動式寝台で移動し、寝たまま検査した。退屈で絶望的な気分だったが、点滴で投入される鎮痛剤の影響で程よい眠気が来たため耐えることができた

今日のミッションは昼と夜に胃ろうから水分を注入することだった。腹に突き刺さったビニールチューブは長く、靴下をかぶせて腹帯で固定する。

2021年7月1日(木)

今日は手術の日である。

2021年6月30日(水)

何かと忙しい一日だった。

2021年6月29日(火)

病院の駐車場にて一人の男が俺と妻が乗る乗用車に近づいてきた。妻が車を停めて車窓を開けるとその男は
「俺は障害者なんだけど、9200ウォン足りなくて薬が買えないんだ」と言った。俺は内心
「この人タカリだろうなあ。釜山大の研究室にも同様の口上で訪ねてくる人がたくさんいたからなあ。でも妻はお金を渡すだろうなあ。今は話すことができないし、黙っておくこおとにしよう」妻はかばんをあせくりながら
「どうしよう。1万ウォン札がない。うーーん」と言って、入院費用のために準備した5万ウォン札が詰められた封筒の中から一枚を取り出し、その男に渡した。その男は
「こんなにたくさん」と言って、あいさつもそぞろにそそくさと立ち去っら。

こ言うときは決まって
「神様が姿を変えて会いに来ていると思っt大事にしなきゃ」と妻言うが、もしそうなら、胃ろう造設周術が無事に終わり、一日も早く退院できるようにお願いしたいところである。

2021年6月28日(月)

今日もとある大学病院に行って来た。その目的は胃ろう造設手術に関する相談である。ところが、トントン拍子に話が進み、なんと、明日から入院することになった。

パソコンは持参するつもりだが、ネット環境を確保できる定かではない。もし塩日記の更新が途絶えたら入院中とご理解されたし。

2021年6月27日(日)

夕食ときになって妻が言う。
「今日は疲れたから何もしたくない」
しかし、そんなときでも、俺用の食事を作り、一時間近い時間をかけて俺に食べさせることになる。

胃ろう造設の日が近づいてきたようだ。

2021年6月26日(土)

家族のみんなに伝えたい。俺の言葉が聞き取れないときは推測して候補を挙げるのではなく、口文字盤の「あ、か、さ、た、な」を始めてほしい。面倒くさいからやりたくないだろうけど、俺は君たちと話したいんだ。

2021年6月25日(金)

昨日は4時間丸々病院内で過ごした。新しく購入した車椅子はリクライニング式で、背もたれを倒すと横向きに寝れることがわかった。この態勢であれば咽ないし、首が疲れない。今年度最大の発見と言えよう。

2021年6月24日(木)

とある大学病院に行って来た。

飲み込みの調子は最悪で、検査で出されたものを飲み込めなかった。

肺機能の検査で「口で吸ってください」と言われたが、鼻をふさがれた状態で息を吸う事ができず、「協力しいいてくれないと数値が出ませんよ」と言われた。

X線撮影では車椅子に座ったままでも撮影できた。

血中二酸化炭素濃度の検査では、以前のように股から採血するのではなく、手首の動脈で事足りた。

主治医は
「肺は正常時の10%ほどです。血中二酸化炭素濃度は正常値の40を上回る50が出た。胃ろうの手術は2週間の入院が必要で付添が必要と」と言った。

帰り道、妻は不自然なくらい明るかった。

2021年6月23日(水)

朝、出るべきものが出た。当たり前のことを当たり前にできることほど幸せなことはないのである。日々の学習に加えてワードプレスの使い方も習得しなければならない。明日は病院に行く日である。

2021年6月22日(火)

三男に機械音声で「眼鏡を上げて」と頼んだ。
三男は隣の部屋からかけてきて任務を遂行してくれた。
俺が「ありがとう、優しいね」というと、
三男は前髪をかきあげながら
「フッ、知っているから言わなくてもいいよ」といった。
ひょうきんな奴よのう。

2021年6月21日(月)

色々な意味でスッキリしない一日だった。

2021年6月20日(日)

便秘が深刻な状態になってきた。今日までで3日分が逗留中である。

2021年6月19日(土)

論文や教科書読むのに飽きてきた。やっぱり、自分の研究課題があって、それを深く掘り下げるために勉強しないと駄目だな。

2021年6月18日(金)

太ももの裏側に電流が流れるような痙攣が走る。休んでいるときに頻繁に起こるので非常に不快である。

久しぶりにアボガドを食べた。おいしかった。

2021年6月17日(木)

昨日から便通がない。メグミット、すりりんご、珈琲、プルーン、バナナ、一通り試してみたが音沙汰なし。こんな日はただただ無気力になる。

夕食後、冷たい牛乳を飲んだらせき止めていたものが流れ出た。今は爽快だが一日損した気分である。

2021年6月16日(水)

かつて「俺の指導学生は結婚できない」というジンクスがあり、それが敗れる日まで「平坂の結婚定理」と吹聴して酒席でのネタとして多用していたが、現在は結婚する者が続出し、有名無実の命題と化してしまった。

今日もまた反例が現れたようだ。J君、婚約おめでとう。いつか夫婦で俺の家に訪問されてください。

2021年6月15日(火)

東京五輪パラ開催の是非が問われている昨今である。

溺死が相次いだら海水浴を禁止すべきなのか。交通事故が減らないから車の通行を禁止すべきなのか。人命優先であるならば外出禁止令を出すべきではないのか。

結局は、損得勘定に基づいて事象ごとに是非が決定されるのではないだろうか。中止になった場合、失われるものはあるはず。それは広告費や放映権料だけでなく、世界中の競技者の喪失感などの心の問題にまで及ぶことだろう。一方で開催された場合、感染拡大に歯止めがかからず一時期の英国のような状態になり、経済にも致命的な打撃を受けるかもしれない。

未来予測が困難なように決定することも困難であるし、決断する者は批判される宿命にあるんだろうな。

2021年6月14日(月)

今日から三日間、「第37回代数的組合せ論シンポジウム」が開催される。本来は沖縄で開催される予定だったが、コロナ禍の影響で一箇所には集まらずオンラインのみで運営されるとのこと。

会議中は講演者と司会者以外顔を晒す人はおらず、懐かしくもあり、お預けを食らったようでもある気分だったが、交流会でM先生、J君、Bさん、Hさんの顔を見ることができた。今年の2月以来久しぶりに研究集会の雰囲気を味わうことができて非常に有意義だった。

2021年6月13日(日)

朝、起きると、妻が「あ、蚊がいる」と叫ぶやいなや立ち上がり、両手を合わせ蚊を成敗した。その動体視力に恐れ入るばかりである。

この文を書いているときにも蚊が現れ天井に張り付いていた。その蚊はなぜか「なぞなぞの本」の上で押しつぶされ目の前に置かれている。

2021年6月12日(土)

今日は一日中腹の調子が悪かった。そのためALS協会長崎支部主催のZOOM会議への出席を見合わせた。「リモートだから平気だろう」と思われるかもしれないが、俺は光見えてもデリケートな性格なのだ。

2021年6月11日(金)

合法かどうか不明だが、今日はサッカーの代表戦のテレビ中継がネットでも視聴できる。現在、前半を終えた段階である。旧ユーゴスラビアから分裂した国々の選手は総じて技術があり創造性にあふれているという先入観があった。しかし、前半戦に出場したセルビアの選手の中にそういう選手は見当たらなかった。

後半は視聴できないようだ。勉強しろと言うお告げなのかむしれない。

2021年6月10日(木)

松坂桃李主演のNHKのドラマは暗にコロナ禍での五輪開催を批判しているのかも。総長役もどことなく雰囲気が尾身会長に似てるし。

2021年6月9日(水)

夜眠れない原因の一つに鼻水がある。すすってもうまく飲み込めないからだ。特に横向きに寝た状態では飲み込もうとしても逆流したりするので、眠るどころではないのだ。ただ不思議なことにうつ伏せに近い位置まで頭を傾けるとすんなり飲み込めたりする。その反面自力で元に戻せなくなったりする。だからこそ、枕の位置が大事なのだ。夜中に何度も起きて寝返りを介助してくれる妻に言いたいことは、俺が必死で叫んでいる単語は「まくら」だということだ。

2021年6月8日(火)

三男のPCR検査の結果は幸いにも陰性だった。しかし、18日まで学校に行けず自宅で待機して過ごさねばならない。

夕食中、咀嚼時間を利用してネットニュースを見ていたら、元Jリーガーの訃報を知ることになり、思わず涙ぐみ、妻に不審がられた。その故人の名はユサンチョル、守備も攻撃も高い水準でこなす選手で、岡田監督時代の横浜Fマリノスの中心選手である。俺の教授蹴球会での役割と重なる部分も多く、飲み会で「好きな韓国人サッカー選手は?」と聞かれたときにその名前を出していた。死因は膵臓がんとのこと、合掌。

2021年6月7日(月)

近所のピアノ教室でクラスターが発生し、児童を含む10人の新型コロナウイルス感染者となった。三男を含む全児童がPCR検査を受けたのが今日、その結果が出るのが明日である。

2021年6月6日(日)

実験計画法の教科書の二冊目に突入。例がわかりやすく一冊目より遥かに面白い。全体の情報を近似する部分集合をどのように選ぶかという問題は確かにデルサルト理論と符合している。

2021年6月5日(土)

妻が体調不良で寝込んだ。ご飯は食べさせてもらったが、妻本人は食欲が無いと言う。一眠りしたら元気になる事が多かったが、心配である。

妻が起きた。元気になって何よりである。

2021年6月4日(金)

布団をかけると暑く、かけないと眠りに落ちない。疲れて寝台に横になっても眠れないのはつらすぎる。丸々7時間眠れたらどんなに気持ちがいいだろうか。

2021年6月3日(木)

昨晩、午前2時、眠れない夜に悶々としている俺にさらなる追い打ちが襲いかかった。耳元で「ブーン」とうなる蚊の襲来である。健康なときでも不快な状況だが、両手両足が動かず顔を背けることも容易ではない現状では、不快を遥かに通過して恐怖そのものである。同じ部屋ですやすやと安眠している妻への配慮はどこかに飛んでいってしまった。俺は頭のてっぺんから出るような2オクターブ高い悲鳴を連発し、妻を起こしてしまった。

「向きを変える?暑い?どこかかゆいの?トイレ?」のように就寝時の頼み事を妻が聞いてくるのだが、俺は首を横に振るばかりだ。文字盤で「か」と伝えても正解には至らない。普段は笑顔を絶やさない妻であるが今回ばかりは「寝ていたのに起こされてわけがわからないことを言われ、一体、何なの」といういかりがが態度に現れていた。

やっとの思い出「蚊がいる」ことを伝えた。その時、妻の目には蒼き炎が宿っていた。何を隠そう、妻は蚊取りの名人で、殺虫剤を使わない蚊取り選手権があれば前人未到の5連覇を成し遂げるであろうといい言う腕前なのだ。通常、夜中に蚊が出たら虫除け対策をこうずるものだが、妻のやり方は完全に異なる。妻は部屋を密閉し電気を点ける。そして蚊が出現するまでひたすら待つのだ。常人であれば、蚊の再登場を待つことはしないし、その蚊を捕獲できるかも不確実だが、妻はへやのどかに潜んでいる蚊を探し出し、ゴルゴ13並みの成功率で蚊をいとも簡単に捕獲してしまうのだ。

この日も例外ではなく、古いカレンダーで一匹の蚊を押しつぶし、夜の平和と安眠をもたらした。身近な世界にも偉人は存在するのだ。

2021年6月2日(水)

とある理由があって、実験計画法に関する本を読んでいる。

2021年6月1日(火)

久しぶりの外出で近所のカフェテリアに連れて行かれた。車椅子の首もたれの角度が気になったが、今日はむせたりはしなかった。ただ、カフェテリアという空間にいるのは辛いものがある。眩しすぎるんだよなあ、店員や佇む人々、そして、自らの過去が。

2021年5月31日(月)

朝も夕も飲み込みが悪く、合わせてご飯茶碗一杯分さえ食べれなかった。その分は豆乳とヨーグルトで補った。

2021年5月30日(日)

日の出時刻とは太陽の最上部が地平線から出てきたとき、日の入り時刻とは太陽の最上部が地平線に沈むときらしい。それならば太陽の中心は天球を半周と太陽の大きさの角度の分だけ回ったところで日照時間が計測され、そのことは日照時間の平均は12時間より長くなることを意味する。つまり、この世は闇よりも光が優勢なのだ。そう考えると明日への希望が湧いてくる、んなわけないよなあ、まったく。

2021年5月29日(土)

渡辺明が名人位を防衛位した。「お住いの地域では視聴できません」と表示された画面が恨めしいかぎりである。

2021年5月28日(金)

昨晩よく眠れず一日中体調が優れなかった。

2021年5月27日(木)

ワクチン開発は4年くらいかかるものだということを知った。

刺し身の細切れは飲み込みやすく重要なタンパク源となっている。

2021年5月26日(水)

浦項工科大学にいたときからの知り合いであり、良き先輩、良き数学者仲間であり、釜山やスロベニアで酒を酌み交わし、「スクール・ウォーズ」を熱く語った方の名字の漢字を間違って覚えているのに今日気付いた。

と思っていたが、先方の変換ミスだということがわかった。

2021年5月25日(火)

慶北大学のMS教授、釜山大学のPJ博士とOS博士が見舞いにきてくれた。有り難いことである。

2021年5月24日(月)

右手の指の力が衰えた。

立ち上がる脚力も衰えた。

妻が膝の痛みを訴えた。

一ヶ月先はどうなるのか全く見えない。

コンゴの火山と溶岩には畏怖の念を抱くばかりである。

2021年5月23日(日)

オンライン礼拝が続いている。

照ノ富士が優勝決定戦を制した。反則負けの件で贔屓力士になってしまった。

2021年5月23日(土)

木曜日から読み始めた論文がようやくしっくりくるようになった。

将棋界がこれまでにんないような盛り上がりを見せている。

2021年5月21日(金)

昨日に引き続き、三男の家庭教師が来て三男と五目並べに興じていた。これは片親が韓国籍ではない受動に対して適用される支援制度を利用したもので、無料で週4時間のレッスンが受けられる。

2021年5月20日(木)

2020年6月に公開されたとある論文を読んでみた。

昨日、髷を掴んだと物言いがつき完勝を反則負けにされた照ノ富士が勝ってよかった。

2021年5月19日(水)

韓国では今日は祝日である。朝は飲み込みが悪く、ご飯もお粥も喉を通らなかった。夕食のジャジャン飯は美味しく食べることができた。

2021年5月18日(火)

義理の妹を懸命の祈りで救ったU牧師夫妻が我が家にいらっしゃった。13年ぶりの再会である。配偶者のどこに惹かれたのという質問に対して「健康なところ」と答えたのは失敗だったかも。

2021年5月17日(月)

朝は右手に力が入らない。

2021年5月16日(日)

昨晩、眠れなかったせいか、飲み込みも便通も悪かった。

2021年5月15日(土)

今日は長男の誕生日である。へその緒を切った記憶が蘇るなあ。

2021年5月14日(金)

来ていただいたPJR,OSM,CUK,KYJ,HJM,PSH(敬称略)、ありがとうございました。最後の合唱のところは、感動的な場面で号泣してもおかしくない状況だったが不思議と何も起こらなかった。ALSの影響は気まぐれである。

2021年5月13日(木)

妻がホットプレートを買ってきた。元学生たちを招いた焼肉夕食会を催すためである。焼肉の本場である韓国で日本の焼肉のタレを用いた日本風の焼肉でもてなそうという試みだが果たしてうまくいくだろうか。

2021年10月21日(木)

2021年11月11日(水)